ボルダリングの消費カロリーはジョギングなどと比べて非常に高いということをこちらの記事で紹介しました。
脂肪燃焼という側面から見るとやはりジョギングなどの有酸素運動のほうが有利かもしれません。
ボルダリングとジョギングのダイエットはどこがどう違っているのでしょうか。
そのカロリーはどこで使ったカロリー?
大前提として、一日に摂取したカロリーよりその日に消費したカロリーの方が多くないと痩せません。
ダイエット本でよくあるうたい文句、「基礎代謝を上げて太りにくい体を手に入れよう!」みたいなのがありますね。
このうたい文句の多くは一日のカロリー消費の大部分を基礎代謝が占めることに着目したものです。
知っているようで知らない基礎代謝
ここで注意なのが基礎代謝=1日に必要なカロリーではないということです。
一日に必要なカロリーは基礎代謝が7割を占めますが、その他にも生活運動代謝と食事誘発性熱産生というカロリーを足して一日に必要なカロリーとして計算されます。
一日に必要なカロリー=生活運動代謝(20%)+食事誘発性熱産生(10%)+基礎代謝(70%)
生活活動代謝
生活活動代謝とは立ったり座ったり、運動したりするときに必要なカロリーです。
ボルダリングやジョギングなどの運動によるカロリー消費です。
食事誘発性熱産生
食事誘発性熱産生とはざっくり言うと、ご飯を食べた時に消化に使うカロリーです。
0kcalの食品などは実際はカロリーはあるのですが、この食事誘発性熱産生のカロリーと相殺して0kcalとしています。
よく噛んでご飯を食べるとこの消費カロリーが増加することが知られています。
基礎代謝
最後に基礎代謝です。一日に必要なカロリーの7割がこの基礎代謝に使われていて、何もしなくても消費されるカロリーです。
基礎代謝の内6割が肝臓、心臓、脳などの自分の意思でコントロール出来ない臓器が使うカロリーで、のこりの4割が筋肉によって消費されるカロリーです。
基礎代謝をあげよう!と主張しているダイエット情報は、この筋肉量を増やしてあげれば勝手に消費されるカロリーは増えますよと言っているわけです。
女性の一日に必要なカロリーは一般的に1200kcalと言われています。
このうち、何もしなくても消費する筋肉の基礎代謝のカロリーは336kcalです。
一方、運動によって消費されるカロリーは240kcalです。
ダイエットでのジョギングとボルダリングの違いとは?
ジョギングダイエットとボルダリングダイエットの違いは先に紹介した生活運動代謝で消費カロリーを増やすか、基礎代謝で消費カロリーを増やすかの違いです。
ジョギングによるダイエットは生活運動代謝の増加を狙っています。
シンプルに生活運動代謝が増加しカロリー収支がマイナスになって痩せていきます。
もちろんジョギングによって筋肉がつき、筋肉による基礎代謝量も上がります。
ジョギングによって強くなる筋肉は人体で最も大きな筋肉である太ももの大腿四頭筋などです。
他にも腕振りやフォームを保つための腹筋、背筋などの体幹の筋肉もつくのですが、あまり大きな効果は期待できません。
一方、ボルダリングによるダイエットは基礎代謝量の増加を狙っています。
基礎代謝の筋肉による消費カロリーが増加してカロリー収支がマイナスになって痩せていきます。
ボルダリングの運動自体のカロリーは非常に高いのは前回のダイエット記事で書きましたが、長い間ボルダリングするのは難しいので、結局は生活運動代謝は少ないものになってしまします。
ですが、ボルダリングでは体中の筋肉を使います。
腕の筋肉はもちろん、脚、背中、胸、腹筋など本当に全身です。
ボルダリングでは人体で最も大きい筋肉トップ3である太もも、背中、胸を同時に鍛えることが出来ます。
「筋肉がムキムキになっちゃうんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、筋肉にかかる負荷が自重を超えないため、過剰に筋肉が肥大化しません。
プロクライマーが筋肉ムキムキになっていないのはそのためです。
どっちが速く痩せる?
これはジョギングの方が速く痩せると言わざるを得ません。
なぜならジョギングしたら必ずその分のカロリーは消費できるので、一日のカロリー収支をマイナスにしやすいです。
基礎代謝量が増加するためにはまず筋肉がつかなければなりません。
筋肉とは超回復というサイクルを経て大きくなっていきます。
そのサイクルは一朝一夕で終わるものではなく、何週間もかかるし定期的に続けないといけません。
とはいえ、一度筋肉が付けば何もしなくてもカロリーを消費できるのでリバウンドの心配も少なくスリムな体型を手に入れることができるでしょう。
ジョギングとボルダリングのダイエット対決まとめ
今までの考察をまとめてみるとこのような形になります。
手っ取り早く痩せたいならジョギングが優勢ですね。
項目 | ジョギング | ボルダリング |
---|---|---|
痩せるスピード | ◎ | △ |
消費するカロリー | ◎ | ◯ |
脂肪燃焼効果 | ◎ | ×~△ |
体引き締め効果 | △ | ◎ |
リバウンドのしにくさ | ◯ | ◎ |
長期的にダイエットに取り組めるのであればボルダリングがおすすめです。
一気に痩せたいのであれば「ジョギングとボルダリングを一緒にやる」のがベストです。
ボルダリングに行かない日はジョギングして、ボルダリングの日はジョギングはお休みするという予定を組めば体重はどんどん落ちます。
ジョギングはただただ走るという作業なので「走る」という行為を好きになるのに時間がかかります。
ですがボルダリングは登るという行為が最初から楽しく感じるので楽しく運動できますので、長続きしやすいです。
1点注意ですが、筋肉は脂肪より重たいです。
ボルダリングによって体が筋肉質になるにつれて体重が落ちづらくなります。
それはダイエットが上手くいっていないのではなくて、筋肉が付いて来ているということで喜ぶべきことです。
体重だけではなく、体の見た目がどうなっているのかもきちんと見ておきたいですね
あわせてどうぞ
こちらの記事ではボルダリングの消費カロリーについて触れています。
ボルダリングの消費カロリーは非常に高いとされていますが、それを鵜呑みにしては行けません。