我慢・伸ばす・売る
小さい=登れるとは限らない!
初めてクライミングシューズに履いてみたらあまりの小ささに「これサイズ間違ってない?」って思った人もいるでしょう。
なんでクライミングシューズが小さいかって言うと足の指をギュッと曲げたほうが小さなホールドにも乗ることができるから。
だから足の指がギュギュッと曲がるくらい小さいクライミングの方が登れる!って思っちゃうのかもしれません。
実際はキツすぎるシューズを履いてみると痛みのほうがすごくて全然小さいホールドに乗れない!ってことも少なくありません。
とはいえクライミングショップでは、なぜだか小さいサイズのシューズを選びがち。
今回は小さいサイズのシューズをなんとかして付き合っていく方法を紹介していきます。
ストッキングメッシュ法
おろしたてのクライミングシューズは素足ではなかなか履きづらいので、ビニール袋を靴下みたいにして摩擦をなくし、無理やり履く方法があります。
シューズを変形させたり、伸ばしたりするのには水分が必須なのですが、ビニール袋に阻まれてなかなかシューズが足に馴染みません。
履きにくいからといってずっとビニール袋を長く使っているとシューズに足の水分が伝わりません。
つまり、足の形にシューズが変形・伸びてくれないのです。
だからといってビニール袋なしにシューズは履けないよ!って人におすすめなのが三角コーナー用のストッキングのようなメッシュ素材の袋がおすすめです。
ビニール袋ほど履きやすくはありませんが、素足と比べるととても履きやすいです。
メッシュ素材だと足の水分がシューズに伝わるので早くシューズを足になじませることができます。
ビニール袋では履けるけど、やっぱりまだ痛いって人にはストッキングメッシュ法がおすすめです。
お湯リンス法
ストッキングメッシュ法を試してもまだまだ痛いって人は「お湯リンス法」を試してみるといいかもしれません。
ぬるめのお風呂くらいの温度のお湯にリンスを混ぜてクライミングシューズを履いた状態で足湯をしてシューズを伸ばすっていう方法です。
合計で20分ほど漬け込むと足の形にシューズが伸びるので、よほど小さいシューズでなければ乾いた後は素足でも履けるくらいには伸ばすことができます。
途中痛くて我慢できなかったら、途中休憩してもいいので20分ほど我慢しましょう。
ただし、お湯リンス法はシューズの芯材(シャンク)の強度を弱めるというデメリットもあります。
シャンクレスのシューズも最近多いですが、紙製のシャンクのあるシューズを水につけるとシューズの硬さが水によって失われてしまうのでシューズの寿命を縮めることになります。
ビニール袋を履いても無理な場合
ビニール袋なしで履けるようにならない…って人は、そのシューズを諦めた方がいいかもしれません。
長く使う前に売ってしまうってのもありな判断です。
最近はメルカリなんかで中古シューズのやり取りが盛んになっています。
もちろん使用頻度が少ないシューズほど高く売れます。
ほとんど使っていないシューズは運が良ければ元値の半額以上でで売れることだってあります。
わたしのクライマー仲間ではあえて新品を買わず、履き込まれたシューズを購入する人もいるくらいなので、中古市場に流すのも有効な選択肢です。
中古品を購入する際は商品写真だけではなく、説明文もよく読んでおきましょう。
どうしてもそのシューズを履きたい場合
最終手段はシューキーパーを使って無理やりシューズを伸ばすっていう方法です。
これはメルカリでも買い手がつかなかったり、どうしてもそのシューズを使いたいっていうこだわりがあるときだけにしましょう。
やり方は簡単。
シューキーパーで無理やりシューズを伸ばすって方法です。
この方法では自分の足の形に伸びませんし、シューズの構造そのものを変えてしまうのでシューズを壊す覚悟で行いましょう。
シューキーパーで靴を伸ばした後は一晩ほど放置して様子を見ましょう。
一晩経過してまだ痛いようでしたらもう少し伸ばすようにすればガバガバシューズにならなくて済みます。
この写真は実測の足のサイズより数センチ攻めたシューズがどうしても履けないのでやむなくシューキーパーで伸ばしている図です。
この場合、ダウントゥがなくなってしまっていますね。
このようにシューズの特性を犠牲にしてもそのシューズを使いたいって人以外は極力回避すべき手法です。
シューキーパーは足の前後にも伸び、かつ、つま先を広げることができるようなものが良いです。
特に下記のようなシューキーパーは特に痛い指の部分にコブがついているのでおすすめです。
シューズは必ず伸びますが…
ボルダリングもうまくなってきたし、2足目のシューズを買っちゃった!って人が陥りやすいのが「シューズが小さすぎて履けない…」ってトラブル。
1足目でこういうトラブルに見舞われるクライマーはあんまり多くないんですけど、2足目のシューズはもうちょっと攻めても(小さくしても)いいかもな…なんて思って買ってしまいます。
そしてお家で「あれ?こんなにきつかったっけ?」って後悔します。
シューズ選びは自分のムーブを邪魔しないってことが基本です。
痛みでインサイドエッジングができない…とかシューズが自分のクライミングを邪魔しているようなものなので「このシューズでクライミングしてムーブの邪魔にならないかな?」って意識を持ってシューズ選びをすることをおすすめします。
どんなシューズでも多少は伸びますし、段々と足に馴染んできます。
クライミングシューズを購入する際は「このシューズって伸びますか?」と店員さんに尋ねてみることをおすすめします。
例えば、わたしの愛用するコブラというシューズはとても良く伸びることが有名なので、最初は痛い思いをしても小さめを購入する人も多いです。
履いていればきっと足に馴染むはずと信じて見るのもありかもしれませんよ!