ボルダリング描写していないマンガが一番かも
ボルダリングマンガ2019年
5年ほど前には皆無だったボルダリングマンガですが、最近はたくさんのボルダリングマンガが登場してきました。特に最近は複数のメディアで連載されるほどに成長しています。
東京五輪を来年に控えた2019年になって急にボルダリングマンガがくるようになりました。リアリティのあるマンガやドラゴンボール的なマンガ、可愛さに全力を振り切ったマンガなどバラエティにも富んできました。
こういったマンガでボルダリングに興味を持ってチャレンジしてくる人が増えたらボルダリング業界ももっと潤うのではないでしょうか。
1.ストロベリーキャニオン(既刊2巻)
わたしが一番夢中になっているボルダリングマンガがこれ!絵柄からなんとなく少女漫画っぽい感じがしますが、実際に恋愛要素が強いマンガとなっています。好きな男子がボルダリングに夢中だから自分もボルダリングを始めた女の子が主人公です。
少女漫画チックだからと侮るなかれ。ボルダリングの心理描写がありありと描かれています。コンペのオブザベーション(課題の下見)でのチョーク跡からムーブを考える描写や課題に挑戦するときの気持ちの作り方などが「そうそう!これこれ!!」って思えてきます。
著者の先生がボルダリングに詳しいのかわかりませんが、鹿山田大選手の名前には笑いました。ボルダリングやっている人にしか伝わらない細かいオマージュが大好きです。
個人的に一番リアリティとフィクションのバランスがちょうどよくておすすめできるマンガです。
2.壁ドン!(既刊2巻)
洞察力が鋭いがため、サッカー部のブレーンとして陰ながら活躍していたのに色々あって帰宅部に。これまた色々あって出会ったボルダリングで持ち前の洞察力でオブザベの神となって活躍するマンガ。目指すは東京五輪の代表選手。
ボルダリング(ほぼ)未経験の主人公が、いきなり五輪強化選手とコンペバトルして辛くも勝利しちゃうのはマンガとしても、ちょっとやりすぎ?とはいえ、マンガのコマからオブザベができるくらいの完成度はあります。「なるほど、なるほど、あそこはダイノっぽいよね」とかしっかりとしたオブザベができちゃいます。正解ムーブにも「ほぉ…」ってなること請け合い。
マンガの他にも楽しみなのが巻末インタビュー。有名クライマーの豪華インタビューが楽しみです。
3.いわかける(既刊4巻)
パズルゲームのランカーの女の子が持ち前の洞察力を生かしてオブザベの神となってボルダリングに殴り込みをかけられる…というさっき見たような展開ですが、こちらのほうが古株。
1巻ではクライミング初挑戦の女子高生がいきなり5.11のリード課題にチャレンジしてほぼ完登したり、2巻でわずか1ヶ月の特訓で忍者返し(1級)を完登したりとフィクションにしても「うっそだろ…」と思うところもありますが、そこはマンガってことで大目に見ましょう。
主人公の成長スピードには疑問符が付きますが、しっかりと参考文献を読み込まれているあたり、刃牙のようなとんでもない展開にならないとは思います。あと競技中の肌の露出が多すぎ!読者サービスなのかもしれませんが、実際にあんなカッコでボルダリングしたら内ももとか二の腕とかホールドにざりっと擦れて怪我しちゃいます。
4.フリクションガール
ピアノ一筋の女子高生が友人の勧めでボルダリングに挑戦するマンガ。こちらはまだ単行本になっていません。2019年10月に第一巻が発売予定ですので、それまで楽しみに待っておきましょう。
連載誌はヤングチャンピオン。可愛らしい作風から繰り出されるどこかで見たことがあるジム…
っていうかこれ、完全に品ロキじゃん!!!忠実に外観や壁面が描かれていて、いつのセットだったかも思い出すことができます。「この3級一撃したな〜」なんて主人公たちの会話の背景が気になりすぎてストーリーに身が入らないのはご愛嬌。個人的一番のお気に入り。
5.ぽちゃクライム
今一番新しいボルダリングマンガがこの「ぽちゃクライム」。食べるのが大好きな女の子とクライマーの女の子が出会った…とまでしか言えません。だってまだ第一話が更新されたばかりなのですから。
コミック百合姫という女の子同士の友情・恋愛を描く雑誌でもボルダリングマンガが始まったとだけあってボルダリングがすごく浸透してきなぁって感慨にふけっています。
可愛さ全開の作風なので、どれだけボルダリングに重心が置かれるかの心配がありますが、クライミングシューズや使われているホールドがしっかりわかるくらいには描かれています。なお、ぽちゃクライムの英語の表記がPochaCrimeとなっています。ClimbじゃありませんCrimeです。
ボルダリングマンガ続々
数年前は「のぼる小寺さん」くらいしかボルダリングマンガはなかったのですが、急に増えてきました。ボルダリングが浸透してきただけあってのことでしょう。
ボルダリングマンガって難しくて、フィクションとリアリティのバランスの調整が大変です。フィクションがすぎるとドラゴンボールみたいになっちゃいますし、リアリティを追求するとボルダリング経験者しか楽しめなくなってしまいます。
ボルダリングマンガを書く以上、ボルダリングを経験してほしいところですが、ボルダリングは指に良くないので、指が商売道具の漫画家さんには難しい注文かもしれませんね…
個人的にはボルダリングに興味を持ってもらうためのマンガだと楽しいかなと思います。ムーブ解説やボルダリングの楽しみを紹介してくれるマンガだと、初心者にもためになるし、経験者にも「あーそんなこともあったなぁ」って思えるのでは?感じます。
東京五輪が始まるまでボルダリングが今後も盛り上がるのは間違いないでしょう!