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世界に数本しか無い超高難易度ボルダリングV16課題をまとめ

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登れたらクライミング業界のニュースになるよ。

 

V16課題って?

日本のジムでは段級システムで課題の難易度が表さていますがアメリカではVグレードと言うシステムが普及しています。多くのボルダリングジムでは10級や9級の課題から始まって最高難易度が2段、もしくは3段っていうジムが多いです。

 

ボルダリングの世界にはもちろん3段以上の課題が存在しています。その多くが外岩なのですが、今回はそんなV16課題を紹介していきます。

 

Vグレードでは6級がV0です。そこからVの数字が上がっていくにつれて難易度が上がっていきます。日本でいう初段がV7~V8、2段がV8~V9のように数字が大きくなっていきます。

 

なおV16の難易度は日本の段級グレードで言うと6段です。そんな課題を開拓してしまうクライマーもよっぽどですが…

 

ジョイア

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クリスチャン・コーレが2008年に初登したこの課題。2011年にはあのうるせーやつアダム・オンドラが再登しました。恐らくはジョイアが世界初のV16なのでは?

 

見ての通り手数が多い課題となっています。強傾斜の壁面をトラバース(横移動)気味に移動した後にそこからマントリングで垂直方向の移動を行うという課題です。

 

上記の動画はアダム・オンドラが再登を行った時の様子で相変わらずの声量です。動画の後半は平均的なクラマーのほんわかな日常が描かれています。

 

テラノバ

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シャウトの鬼の地元でうるせーアイツによって開拓されたトラバース課題。3段(V10)と4段(V14)つなげて、ムーブをちょい足しすれば最低でも6段にはなるっしょという筋肉足し算によって生み出されたこの課題。
なおこの課題、シャウトがうるさい人以外再登されていません。

 

もうこの課題は長い!何と言っても手数が半端ない!ほとんどルートクライミングみたいです。

 

動画ではこんなに小さいホールドをカチ持ちするの?!ってくらいの出っ張りを保持しています。また、途中でオンドラ氏の得意技人差し指温存カチ持ちが披露されているので真似してみてはいかがでしょうか?

 

The story of two world low start

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※動画はThe story of two worldです。Low startではありません!
日本が誇る小山田大によって初登されたこの課題はV15課題のスタートを低くして激辛ムーブをちょい足ししたものです。
なお、もととなったV15課題はThe story of two worldと呼ばれています。

 

何と言ってもこの課題の最大の特徴はこの岩場!ジムでもこんな傾斜壁無いよ!天然のルーフって感じですね。ジムでもなかなか見ないほどの強傾斜です。

手数?もちろん10手を余裕で越えてくるロングルートです。

 

そしてこちらが正真正銘のThe story of two world low startです。違いがわかりますか?

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完登直前に見せた小山田氏が見せる表情が非常に印象的です。この課題に打ち込んだ時間・苦労だけでない様々な感情が一挙に到来しているかの様に見えます。

 

ザ・プロセス

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難しいボルダー大好きで有名なダニエル・ウッズが初登したプロセスと言う課題。再登はありませんしできません。
というのもダニエル・ウッズが初登した後にホールドが壊れたしまったそうなのです。

 

だから動画にもV16(?)とタイトルに書かれているのでしょう。のっぺりと切り立った岩を見た時は、一体ここのどこをつかむだろう?と思ってしまいます。

 

サムネイルの通り、動画は夜撮られました。ナイトクライムです。きっと日中は温度が高くて岩が湿るのでしょう。帰りはどうしたんだろう…?

 

那由多

最後に紹介するのは日本に一つだけあるV16課題。こちらもV14とV15課題(5段)を2つつなげて難易度をV16した超ロングルートな課題です。こちらは小山田氏が唯一の完登者でした。

※残念ながらこの課題は何者かに破壊されてしまいました(後述)。

 

その手数なんと27手。初登時の様子が氏のブログに書かれており、その締めくくりがこうなっています。

未だに登れたのがなんだか信じられない感じだ。

「ここからスタートしてあそこまで行けたら凄いね」「まあ、夢のラインか」話したのが懐かしい。

 

夢見て切望して実現した。

 

課題名は「那由多」グレードはv16 6段-

ついにその時が | dai's diary

この記事を初めて読んだ時「ここからスタートしてあそこまで行けたら凄いね」という極シンプルなモチベーションからこの課題が出来たのか!と感動したのを覚えています。

 

2018年6月25日追記

自然の岩を破壊する行為(チッピング)により課題が消滅してしまいました。日本を代表する課題が消滅してしまったのはクライミング界にとって大きな損失です。登れなくするような破壊ではなく、登りやすくるような破壊というところに強い悪意を感じますね。

 

自分が一生かけても登れるような課題ではないですが、こういうことをする人がいるってのは悲しいなぁ…自分が何年もかけて向き合った岩が破壊されてしまった小山田氏の感情を思うと言葉がありません。

追記ここまで

 

V16が最難か?

ボルダリングを普通にやっていて縁遠いV16課題。V15課題が登れたら業界でニュースになるような課題なんですからその一つ上のV16課題がどれほど凄いのか…ちょっと想像できませんよね。

 

なお、V16グレードは非常に手数が多くなっていて「ほとんどルートじゃん!」と思われることも多いようです。V16課題の幾つかはリードグレードで表記されていたりするくらいです。

 

そんな手数が多いV16課題に対して、とある課題の手数はわずか「4手」そして課題のグレードはV17。世界で1つしか無いV17課題、Burden of dreamsがあるんです。

www.poznen.net

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