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自分の苦手を洗い出せ!クライミングウォールごとの特徴について

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ボルダリングジムにあるホールドが張り付いている壁の事をクライミングウォールと言います。
1つのジムにも複数のクライミングウォールが用意されていて、それぞれに異なった特徴を持っています。
そんなクライミングウォールの特徴で自分の苦手と得意を洗い出すことができるのです。

初心者向け?「垂壁」もしくは「スラブ」

ボルダリングジムに初めて行った時ビギナーゾーンにあるクライミングウォールがこの「垂壁」か「スラブ」です。
「垂壁」とはその名の通り90度の垂直に立った壁のことです。
「スラブ」とは耳馴染みない言葉ですが、90度以下の奥に倒れた壁のことです。

ボルダリング初日だとこういった足に荷重がかかりやすい壁の課題を取組むので初心者向けかと思いきや、多くの中級者クライマーが毛嫌いする壁でもあります。(そうじゃない方、ごめんなさい…)

「初心者向けじゃないの?」と疑問に思う人もいるかと思いますが、垂壁にある3級くらいの課題になるとボディバランスのコントロールと薄くて小さいホールドの処理に悩まされる事になります。
スラブに使われるホールドの悪さは尋常なものではなく、板ガムやクレジットカードと比較できるくらいの薄さです。例えばこんなのです↓

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Epic Bouldering Motivation - YouTube

スラブに至ってはバランス系の課題が中心になるのでものすごく小さいフットホールドに乗り込むとか体幹を使った課題がほとんどになってきます。


だから割りと腕力でのぼりがちな被った壁(後述)で4級を登れたぜ!ってひとがスラブの4級をやると、自分が力に頼ったクライミングをしていたかを痛感することになります。

垂壁やスラブが苦手な人はボディバランスとフットワークを見直しましょう。
特にに足の入れ替えがどの精度で行えるかが、この壁の課題のクリアの鍵になります。

「そんな基本的なことを…w」と思われるかもしれませんが、ビス止めの極悪フットホールドで足の入れ替えができるか、頭を動かせないくらいシビアなバランスでクライミングシューズのソールから伝わってくる情報だけで足の入れ替えができるかどうか、試してみるだけでもフットワークとボディバランスは向上していきます。

パワー系大好き!「オーバーハング」、「ルーフ」

オーバーハングとはスラブとは反対で手前に倒れて込んできた壁のことを指します。
倒れ込んできた角度で130度壁とか160度壁とかいいます。
110度くらいの壁の事を「薄かぶり」160度壁くらいの壁を「どっかぶり」と言ったりもします。
一方ルーフはトンネルのようになっている、このような壁のことをいいます。

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こちらの壁は初心者お断りのパワー系の壁になっています。
110度壁でも腕にかかる負荷が初心者にもわかるくらい増えるので、初心者向けの課題は多く配置されてはいません。
薄かぶりの壁には7〜6級くらいの課題がセッティングされ、どっかぶりやルーフ壁には5級以上の課題しかありません。

垂壁やスラブと比べてホールドはかなり持ちやすい形になっているので、パワーにものを言わせてガシガシ登る人には被った壁がおすすめです。
何と言っても強傾斜だとこんなにダイナミックな動きができるような課題があるからです!

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Daniel Woods Wins Bouldering World Cup - YouTube

 でもこういった壁ばかりをやっているとスラブ嫌いになりかねないので垂壁にもかまってあげてください。


この壁が苦手な人は保持力と体幹の筋肉が足りません。
被った壁だと足がホールドから離れた瞬間に体重のすべてが両手に降りかかります。
だからできるだけ足はホールドに残しておく必要があります。
重力に打ち勝って足はホールドに残しておくためには重力に負けない腹筋と背筋が必要です。

保持力はクライミングを続けて行けば自然とついていきますが、体幹の筋肉は意識的に鍛えないとなかなか育ちません。
ジムから帰る前にプランクやサイドプランクをやって変えるだけでも効果がありますので、クライミング終わりにやってみてはいかがでしょうか?
腹筋ローラーなどがあれば是非取り組んでみましょう。

特殊な壁の作りの「バルジ壁」や「球体壁」

最後に紹介するのが垂壁でも被った壁でもない「特殊壁」と言われる部類の壁です。
小さなジムには設備的な問題で設置されていないことが多いですが、大きめのジムだと設置されていることが多いので是非取り組んでみましょう。

もっともメジャーな特殊壁が「バルジ壁」です。
これは被った壁の上に垂壁が乗っかった様な壁です。
または壁の上部が大きく出っ張った壁のことをいいます。

強傾斜のパワー感と垂壁のバランスを一度に味わえるお得な壁であるともいえますね。
このバルジ壁の最も難しいところが壁の斜度が変化している箇所です。
この瞬間にもっともパワーやテクニックが必要とされます。また、課題の核心もこの部分に多く配置される傾向があります。

他にもロッキー系列おなじみの球体壁があります。
球体壁は強傾斜から徐々に垂壁になる連続的な変化が面白い壁です。
この壁もパワーとバランスの総合力が試される壁なのですが、球体という形状も相まってなかなかお目にかかることができない壁なので球体壁を見つけたら是非触ってみましょう。

他にもアドスムムにあるキノコみたいな壁トップアウトできる壁、レックス代々木にある赤提灯なども特殊壁になり、そのジムの特色が一番色濃くでる部分なのでジム遠征のときは積極的に取組むと面白かもしれません。

自分の苦手は垂壁?被った壁?

クライマーによって得意な壁は全然違います。
私の個人的な例だとどっかぶりの壁やバルジ壁が大好物です。
そうなってくるとどうしても垂壁やスラブがお留守になりがちなので、「今日はバルジもやる日」とか意識して課題に取組む様にしています。

どっかぶりの壁でも繊細なバランスを求められたり、垂壁で極悪のカチホールドを処理しなければいけないこともありますので、自分のクライミング能力をまんべんなく向上させるために、好き嫌いせず、いろいろな壁に取り組んで行きたいものですね!

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