ボルダリングやクライミングのトレーニングといえば懸垂ラックやトレーニングボードを使ったものが一番ですが、もっと手軽にトレーニングをやりたいものです。
今回はそんなトレーニンググッズを紹介していきます。
まず最初に気をつけておきたいことは、クライミング能力=握力ではないということです。
ボルダリングを初めて最初に思うのが「握力がなくて登れない!」という感想ですが、はじめのうちは握力に頼ったクライミングをしているので、そういった状態になってしまうのです。
とはいえ、握力が強化されると悪いホールドにも余裕を持って対応できたり、難しいムーブにも対応できるようになりますので、ボルダリングに慣れてきた頃から握力トレーニングを始めてもいいでしょう。
まずは定番!使い方に注意なグリップバー
握力強化といえば、V字型のあいつを思い浮かべるでしょう。
そう、グリップバーです。値段も安いのでためにし購入してもいいでしょう。
このタイプのグリップバーはいろいろなレベルを選べるので自分にあったものを選びましょう。
レベルを選ぶ上で超重要なのが、高負荷のレベルのグリップバーを選ばないことです。
相当に強い人でない限り40kg以上のグリップバーは必要ありません。
というのもボルダリングは陸上競技で言うところの「中距離走」なのです。
高負荷のグリップバーで鍛えられる筋肉は陸上競技での「短距離走」なので、高負荷のグリップバーでガッチョガッチョとトレーニングしてもクライミングへの効果は薄いです。
グリップバーを使った効果的なトレーニングの方法は、自分の最大握力の半分程度のグリップバーをで、グリップバーを握り込み、10秒間絶えましょう。
10秒後、ゆっくりと手のひらを開いて再び10秒間握り込む、というトレーニングがボルダリングに効果的です。
手首を強化!リストボール!
クライミングで手首を強化しておくと、スローパーのようなツルッとしたホールドを楽につかむことができます。
スローパーへのデッドやハリボテへのランジなどの難しいムーブには強い手首が不可欠です。
手首を効果的に強化するためのトレーニンググッズはこれ、リストボールです。
クライミングを長くしている人でもこのタイプのグッズを知らない人も多いです。
このトレーニンググッズは筐体内の黄色いボールが高速で縦回転と横回転することで内のボールが暴れだすので、それを押さえ込むことでトレーニングするというちょっと変わったタイプのトレーニンググッズです。
ボールを高速回転させるのに手首をぐるぐるさせるのにコツがいりますが、届いたその日に高速回転させることが出来るようになるでしょう。
コツはボールが低速のときほど速く、高速回転し始めたらゆっくりぐるぐるさせることです。
一点このトレーニンググッズで注意が必要なのが、ボールの回転中は非常にやかましいということです。
クライミングジムでやっていても「何の音?」と周りの人が気づくレベルなので場所を選ぶかもしれませんね。
ギタリストも御用達!指の一本一本を強化するフィンガートレーナー
このトレーニンググッズは最初に紹介したグリップバーの原理に似ていますが、それぞれの指に対応したスプリングがついているので、薬指だけとか小指だけといったピンポイントをすることができます。
ギター用のトレーニングとして使用している人もいるくらいですが、ギター専用のものだと左手専用のものもあるので気をつけてください。
トレーニング方法はグリップバーと同じく10秒間握り込んで、ゆっくり開放を繰り返しましょう。
クライミング専用トレーニンググッズ!グリップセーバー
最後に紹介するのがメトリウス製のグリップセーバーです。
メトリウスといえばトレーニングボードも出している大手メーカーですね。
こちらのトレーニンググッズの特徴は指を曲げるトレーニング以外にも指を伸ばすトレーニングもできるということです。
クライミングに指を伸ばすという動作は必要ないように思えますが、クライミングを長くやっていると指を曲げる筋力ばかりが強化されて、指の曲げ伸ばしの筋肉のバランスが崩れてしまいます。
そうすると手を開いた状態なのに指が曲がっている状態になってしまうので、指を伸ばす筋力も付ける必要があります。
このトレーニンググッズでは写真の黒いリング部分に指を通すとゴムの張力で指を伸ばすときにも負荷をかけることができます。
指にゴムを通すのが少々面倒ですが、その分効果は期待できます。
クライミング能力=握力ではない!
様々なトレーニンググッズを紹介してきましたが、クライミングの一番のトレーニングは実際にクライミングジムに行って壁を登ることです。
初心者のうちはボルダリング=握力のイメージが強く、クライミングトレーニングといえば握力強化だ!と短絡しがちですが、実際にはムーブの習得や重心のコントロールの方が初心者には重要です。
ボルダリング初心者の間は、まだ握力を強化する必要はなく、たくさんジムに通ってムーブの練習をすることをおすすめします。
そうしないと、いつまでも握力に頼ったクライミングから脱却できません。