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山の不思議な話を集めました~山怪~

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誰しも経験があるのでは?

山怪

読み方は「さんかい」。クライマー御用達出版社である山と渓谷社から出版されている山の不思議な話をオムニバス形式でまとめた書籍です。

 

山の不思議と一口に言ってもたくさんありますよね。キツネやタヌキに化かされた話や人魂を見た話、はては虫の知らせを感じた話まであります。

 

この山怪の面白いところが「オチがない」ってところなんですよね。例えば、こんな話があります。

ある猟の前日、猟の準備をしていたら山から大きな蛇が降りてきた。蛇と目が合ったかと思うと山に帰っていった。そうすると次の日、猟師仲間が滑落死してしまった。あとから聞くと他の猟師仲間も同じような蛇を見たという。あの蛇は山の神の使いで「明日誰かをもらうぞ」と警告に来たのかもしれない…(ブログ管理人が適当に創作)

みたいな話が山程詰め込まれています。ちょっと不思議で怖いお話ですが、結局蛇が何だったのかは触れられません。

 

つまり、オチらしいオチが無いんですよね。あるのは結論だけ。でもそこがエピソードに深みをもたせて引き込まれちゃうんです。「あの蛇が何だったのか?」って言う結論を描かれていないだけあって、読者が自由に想像できる余地が残されているんですよね。つい夢中になって読み進めてしまいます。

 

外岩派にはちょっと怖い?

私自身、基本ジム派なのですが、たまに外岩にも行きます。住んでいる土地柄、御岳ボルダーしか行ったことがないのですが…で、外岩に行く電車の中でこの山怪を読んじゃうとちょっと怖くなってしまいます。

 

御岳ボルダーに行ったことがある人ならわかるのですが、御岳ボルダーって関東有数の人気ボルダリングスポットで休日にはボルダリングジムのような賑わいを見せます。

 

でも、岩場によってはちょっとした山道を下る必要があって、山怪を読んだあとだと「これ…どっかで迷っちゃったり…」なんてあるはずのない恐怖を感じちゃったりします。だってデッドエンドへの入口のあたりとか、急に樹木が鬱蒼としてきて結構怖くないですか?

 

レスト中にちょうどいい!

普段ボルダリングジムにしか行かない人はレスト中に読んでみるのもありでしょう。なにせ1エピソードがほんの数ページなのでサクッと読んでまた登り始めるっていう使い方もできます。

 

下手に漫画なんかを読んじゃったり、スマホをいじっちゃうと体が冷えちゃうかもしれませんので、サクッと読める短編集はおすすめですよ!

好評ってことで続編の第2巻も発売中です。

 

おまけ:私の山怪

私も過去に山で不思議な体験をしたことがあるので、僭越ながらここに紹介します。

場所は京都の伏見稲荷大社。当時私は大学生で貧乏旅行をしていました。青春18きっぷで京都まで来たはいいものの、ATMでの出金に失敗してしまい、夜の12時に所持金が数百円で翌朝6時のATMが開くのを待つっていう状況でした。

 

時期は3月でまだまだ寒い時期。鴨川の辺りでじっとするのは悪手と考え、深夜の京都をウロウロすることにしました。で、目をつけたのが伏見稲荷大社。だって24時間オープンしていて、入場料も無しっていう絶好の条件だったからです。伏見稲荷大社についたのが真夜中の3時ごろ。

 

何度か訪れたことはあるとはいえ真夜中。足元に注意しながら山頂まで登るとあたりが薄っすらと明るくなっていました。帰りの四ツ辻のあたりまで降りてくると京都の町並みが朝焼けに照らされてきれいに見えたのを覚えています。このまままっすぐ下山すればよかったのですが、明るくなってきたので帰りは別ルートで帰ろうと思い立ちました。

 

三ツ辻で登ってきた道とは別の道に入りました。地図を見てもどのみち麓までたどり着く1本ルートなので迷うはずはありません。ですが日が昇ってきたからかあたりに霧が出てきました。「千本鳥居と朝霧なんて、なかなか幻想的じゃないか」ってのんきに思いながら下山していきます。

 

10分ほど歩くと霧がどんどん濃くなっていきました。ほんの数歩先が見えなくなるくらいの濃さ。「なに、一本道だし迷うことはないさ」と思いながら足を進めるのですが、なかなか麓までつかないんです。だんだん霧も恐ろしくなって、引き返そうかと思った矢先、左右に別れた分岐道が現れたんです。

 

「これは絶対におかしい。迷った」と確信しました。何故かと言うと最後に見た地図には分岐道なんてなかったから。左に伸びる道は今まで通ってきたような道。右に伸びる道は古ぼけた鳥居が立つ荒れた山道。本当ならこれまで歩いてきた左の山道を行くべきでした。ですが、ほんの少しだけ好奇心が勝って古ぼけた鳥居が立つ山道に足を踏み入れたんです。「間違っててもすぐ戻ればいいさ」って。

 

そして実際、すぐに戻ることになりました。その古ぼけた鳥居をくぐった瞬間、なんだか変な感じがしたんです。なんだか目に見えない膜を通過したような感覚がしたんです。膜をくぐった瞬間、霧が不意に晴れて自分が墓地の真ん中に立っていることに気づきました。「ここに居てはいけない」と本能的に感じたのと同時に冷や汗が吹き出ました。

 

心の中で誰かに謝罪をしつつ、踵を返し転がるように元の山道に出てきます。あたりの霧はすっかり晴れただの山道になっています。心臓がバクバクいって振り返ることすらしませんでした。霧が晴れてからはほんの数分歩くだけで麓の本殿にたどり着くことができました。

 

この経験のあとも何度か伏見稲荷大社を訪れ、同じ道を通ったりしたのですが、こんな経験はこれっきりでした。