ボルダリングに使われるホールドには穴の空いたような形のポケットと呼ばれるホールドがあります。5級くらいから使われ始めるこのポケットホールドの持ち方ですが、ちょっとしたコツで一気に持ちやすくなったりするのです!
いろんなポケットの種類!
ポケットホールドは穴が空いたような形のホールドです。バリエーションも色々で、ポケットが浅かったり、深かったり、複数あったりといろいろな持ち方を知っていないと処理に困ることもあるでしょう。また、少ない指の数で保持するので、指の強さも試されます。
ポケットホールドは指が入る本数によって呼び方が変わります。1本指しか入らないものをシングルフィンガーポケットやモノポケット、2本指なら2フィンガーポケット、3本指なら3フィンガーポケットと呼びます。
3フィンガーポケットはポケットホールド入門って感じで比較的ガバっぽく持つことができます。おそらく最初に処理するポケットホールドでしょう。
逆に一番難しいのがシングルフィンガーポケット。核心に用意されていることが多いです。
そして一番良く目にするのが2フィンガーポケットです。この時ポケットに使える指は人差し指から小指の組み合わせなのですが、どの指の組み合わせがいいのでしょう?
あえての薬指?
個人差はありますが、指の力が大きい順に中指≧人差し指>小指>薬指となっています。ホールドは力強く保持したいので人差し指と中指の組み合わせが良さそうなのですが、ちょっと問題があります。
それは人差し指と中指の曲がる位置が異なるので若干ガストン気味になってしまうってことです。ポケットから手首・肘の角度が「く」の字になっているのがわかるでしょうか。
ポケットホールドを真下に引きたいのに、そうするためには少し脇を開いて角度をつけてあげないといけないので肘、手首、指関節が若干曲がった状態になってしまうのです。ちょっとパワーロスですね。
そのため、2フィンガーポケットには中指と薬指のコンボがよく使われます。中指と薬指では曲がる位置が近いため、脇を開かずとも真下にホールドを引くことができます。
この持ち方だとホールドをほぼ真下に引くことが出来るので、手首や肘関節をストレートの状態に保つことが出来ます。
2.5フィンガーポケット?
指3本は入りそうにないけど、指2本じゃちょっと余る…って時に使えるのが「俵持ち」と呼ばれるテクニックです。これはポケットの中で中指を人差し指と薬指の上に重ねて持つという変則的なポケットの持ち方です。
ホールドの中では指は俵を重ねた様に折り重なっています。
指の太さによって3フィンガーポケットなのに指が全部入らない!ってこともあるので、こういう持ち方も覚えておくとお得です。
シングルフィンガーには注意!
指が1本しか入らないシングルフィンガーポケットは指に最大級の負荷がかかるので上級者向けのホールドとなっています。
使える指が少ないからというのもあるのですが、2フィンガーと比べてホールドとの接地面積が小さいので横揺れが発生しやすいっていう弱点があります。横揺れに耐えるためにフットホールドが切れないとか体幹の筋肉にも負荷がかかるでしょう。
ポケットホールドに厚みがあるのなら親指をそえてピンチっぽく持って横揺れに備える作戦がおすすめです。
怪我しやすいので上級者向け!
ポケットホールドはフォール時に指がスムーズに抜けずに指を怪我してしまう事もあります。私の周りでもポケットで指を痛めたってクライマーは多いです。また、ポケット課題を連続してやると使う指がピンポイントでヨレてきますので、あまり連投しまくるのはおすすめしません。
そしてポケットホールドは比較的小さなホールドであることが多いのでデッドやランジなどのダイナミックなムーブで狙うと上手く取れなかったり、狙いがそれて壁と指が衝突したりして痛いです。取れたとしても数本の指で衝撃を受け止めるので瞬間的な負荷も強いです。
以前、160度の強傾斜壁で深めの2フィンガーポケットにデッドで飛びついたら狙いがそれて中指しかポケットに入らず、図らずもシングルフィンガーポケットとして保持してしまい、中指が「グワーッ!!」となったことがあります。
遠目のポケットホールドはスタティックに取りに行くかフィギュア4で処理するのがいいでしょう。