大きなものにも細かい遊び心。
e-gripsの特徴!
今回紹介するのは”e-grips(イーグリップス)”というホールドメーカー。クライミングは芸術だと語る企業精神があります。その芸術を支えるのがクライミングホールドだという矜持があるのでしょうか。e-gripsのホールドやボリュームはいろいろなジムで目にします。
e-gripsの特徴は様々な形を再現したホールドたちにあります。表面が織物のようになっているホールドや泡立った様は表面になっているホールド、風雨にさらされた自然の岩のようなホールド、はたまた人工的な模様を有したホールドなど、その種類は多岐に及びます。
最近の流行にもついていっており、ツルツルとザラザラを備えたボリュームやホールドとの摩擦で保持する大型スローパーなどがあります。So iLLと比肩するくらいのホールドの種類を誇る巨大ホールドメーカーです。きっと一度は触れたことがあると思いますよ。
本物の岩みたい!サンドストーンクラシック
凹凸が自然の岩そのもの
細かな筋や凹凸が岩の表面をよく表現しています。色とボルト穴があるのがなんだか不自然さすら感じさせます。以前紹介したKilterのホールドもなかなかの表面加工っぷりでしたけれど、e-gripsはより自然な仕上がりになっています。持ち感も外岩っぽくて初心者お断りとなっています。
初心者向け人工外岩
外岩っぽい感覚をボルダリング初心者でも楽しめるのがこの外岩っぽいガバホールドシリーズです。チョークが埋まって模様がすぐ見えなくなりそうですけど、親指を効かせる持ち方を練習するのにもってこいなホールドです。
悪意のある小石たち
フットホールドに外岩感覚をもたらすこの小さなホールドたち。慎重に足の置き場を考えないと簡単にツルッと行きそうですよね。特に下段の左から三番目。単独として使用するのはもちろん、ボリュームにくっつけて親指の引っかかりに使われたりしています。
芸術的ですらある…人工的なホールドたち
バロック調のホールドとは…
今までで目にしたホールドの中で最も芸術的なホールド。それがこのロココです。ポケットホールドなのですが、その周りに渦を描くように配置された羽や植物のような意匠が凝らされています。フットホールドにするのは憚られるほどです。せめてゴールホールドにして…
シンプルなホールドだけど複雑な表面加工
ホールド自体はよくある肉厚のピンチやインカットホールドですが、その表面加工にシェイパーのこだわりが現れています。先に紹介したシリーズとって違ってまるで時計の中を彷彿とさせるような複雑な表面加工がなされています。
あみあみの部分を捉えるんです。
ホールドの一部が編み物の様になっています。もちろん実際に編み込みになっているわけではありませんが、本当に編み込んでいるような細かい作り込みがされています。このあみあみの部分に指がハマるとびっくりするくらい保持できるデザインと機能を両立している私の好きなホールドです。
ゆかいな仲間たちを紹介するぜ!
ビス穴の位置どうにかなりませんかね…
ほとんど飾り用のホールドのようですが、サルとライオンのホールドです。サルは上まぶたが持ちやすくてライオンは鼻先がフットホールドにもってこいです。ビス穴…せめて両目にあけてくれませんかね…バランスが…
見上げるぜぇ…or見下すぜぇ…
個人的な好みNo.1なホールドがこれ!鮫人(さめんちゅ)と鰐人(わにんちゅ)ならビビッと来るでしょう。とてもかわいいホールドなのですが、形が理由で、向きがかなり限定されてしまうのがネック。見上げる場合がとても持ちやすいガバ。見下す場合がアンダーとなっています。
ゆかいな仲間たちを紹介するぜ!
デフォルメが効いた人の表情が楽しいホールドたちです。更に嬉しいことに全部ガバホールドです。左の面長なおじさんはピンチに使われたりしています。昔、品川ロッキーに中央上の口を開けた人のホールドが使われた課題があって、その課題名が”ビッグマウス”でした。
シェイパーの自信が滲み出るホールドたち。
e-gripsには4人のチーフシェイパーがいます。ここまでに紹介したホールドでも全て誰が作ったのかの情報がきちんと明記されています。ホールドやボリュームに自信があるからこそ堂々と名前を記せるのでしょう。
youtubeには一部のシェイパーのホールドの作成風景が特集されています。今回紹介できなかった大型のホールドやボリュームが紹介されています。
一方でおかしな(?)ネーミングと形のホールドだってあります。それがこれ。
おれブッダじゃないよ?
公式ホームページでのホールド名がBuddha(ブッダ)…うーん、ブッダというより布袋さんでは…?ちなみに結構な頻度でジムで目撃できます。
なお、布袋さん…ではなくBuddhaホールドはとにかく丁寧に扱いましょう。ランジやデッドで飛びつくようなムーブだとホールドの構造上、首がモゲてしまいますので…