野球漫画、サッカー漫画はいろいろありますが、ボルダリング漫画やクライミング漫画というのはあまり多くありません。
この記事では筆者が今までに読んだボルダリング、クライミング漫画のおすすめを紹介していきます。
ボルダリングやクライミングにかぎらず、そのスポーツの漫画を読むとモチベーションが上がって、今すぐにでもジムに行きたい!となるのでおすすめです。
神々の山嶺
まずは圧倒的におすすめな漫画! 夢枕獏原作、谷口ジロー作画の神々の山嶺です。
最近になって愛蔵版が発行されたようですが文庫版でも発売されています。
この漫画ではボルダリング要素はほとんどありませんが、エベレスト初登頂は誰だったのかという謎の鍵を握ったカメラをめぐるサスペンス要素とエベレスト登頂の未開拓ルートに人生のすべてをかけた男のドラマです。
なにがすごいというと圧倒的な高度感が漫画のコマからひしひしと伝わってくるところです。
命綱なしで氷爆に張り付いている時の緊張感や酸素の薄い環境下での意識の混濁や極限状態が迫力あるタッチで描かれていて、まるでドラマを見ているかのようでした。
グッドラック
何であれ 待っていても誰かがそれを与えてくれるわけではないのです
国家も個人もその意味では同じなのです
欲しいものがあれば自らの手でそれを掴み取るしかないのですよ
夢枕獏・谷口ジロー / 神々の山嶺 第4巻より
この漫画を読んでいて最高に刺さった言葉です。
登山やボルダリングにかぎらず、何かを達成しようとするときに自分を鼓舞する言葉です。
孤独のグルメでよく知られている谷口ジローさんの漫画ですので、エベレストで摂る食事などもよく描かれています。
カトマンドゥを歩く主人公はまるで飯屋を探しているような雰囲気も漂うのは孤独のグルメの読み過ぎでしょうか…
おじさんが山を登る漫画といえばそれまでですが、非常におすすめです!
2016年に映画化されるようです!たのしみ!!
岳 みんなの山
次におすすめするのは「岳 みんなの山」(作:石塚真一)です。
山岳救助をボランティアで手伝う「島崎三歩」が山の様々な事故や出来事を経験していく漫画です。
実写映画化されたのもあり、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
全18巻の長編の漫画で序盤は山で起きた出来事をオムニバス形式で描いています。
ただ山を登るだけの話から山岳救助の話など、山へ行ってみたいな!と思うような楽しい話から、助ける人を選択しなければいけない重い話までいろいろです。
中盤〜終盤にかけて急に物語が転がり始め、悲劇的な完結の仕方でamazonのレビューが真っ二つになるという、終わり方(終わらせ方)の評価が分かれています。
作者は実際のクライマーで登山に関する造詣が深く、幕間に書かれている登った山紹介がすごく好きです。驚くべきことに作者は28歳から漫画を始めたそうです。
同作者の「Blue Giant」もおすすめです。こちらはジャズに打ち込む青年の物語。
孤高の人
こちらは世界で二番目に高い山「K2」登頂を目指す青年の物語、「孤高の人」(作:坂本眞一、原作:新田次郎)です。
主人公は高校時代にリードクライミングに出会い、その魅力に取りつかれてしまいスポーツクライミングから登山を始めるのですが、不幸な事故に巻き込まれ続けます。
ですが山を諦めきれずに主人公はアルバイトで生活しながら登山のトレーニングを積んでおり、高校時代の知人の引き合いでとある山の選抜部隊に選出され物語が急に進みだします。
過酷な状況下での人間の混濁した意識を独特なコマ割りと暗喩で表しているのですが、意識が混濁しすぎてて読んでいる方も混乱してしまいました。
終盤辺りの雪山にスイカの描写は状況に反してシュール感すら感じました。
主人公の幽霊のようなオーラは迫力があり、山があるかぎり山頂があるかぎり登り続けてやるという強烈な意思が伝わってくるような作品でした。
やたら人が死にます。良い人も悪い人も死にます。パーティ全滅レベルで死んでいきます。
そんなメンタルに来る作品ですが覚悟をもってどうぞ。
のぼる小寺さん
「のぼる小寺さん」(作:珈琲)こちらはボルダリングに取り組む女子高生のお話。ほんわかです。誰も死にません。
昨今の漫画に珍しくボルダリングメインの漫画です。現在アフタヌーンKCで連載中です。こちらから第一話を立ち読みもできます。
ただ、あんまり登ってないです。小寺さんが告白されたり、ラーメン食べたり、不登校の女の子とお話したりするお話も結構ありボルダリグメインでばりばり登ってるぜーって感じではありません。
が、小寺さん超強いです。
作中で「初段全部登りました」なんていうくらい強いです。
そしてかわいい。
ポップな作風なので、ボルダリグのレスト時に読んでみるといいかもです。
癒やされます。
なお、小寺は「おでら」でも「こでら」でもありません「こてら」なので注意。
二巻出たらしいです。二巻ではしっかり登っています。
小寺さんが応援するだけの話もありますが、後半は小寺さんがコンペに参加します。
オーバーハング!
最後は「オーバーハング」(作:本橋ユウコ)という漫画です。
ganma.jphttp://ganma.jp/overhang
こちらはバリバリのボルダリグ、リードクライミング系の漫画です。
結構、ムーブやテクニックについて説明されているので読んでみて参考になります。
ちなみにこちら、電子コミックなので本屋さんに行ってもおいていません。
リンク先を下にスクロールすると全話読めるようです。
スマホアプリにも対応しているのでボルダリグのレストの時にさくさく読めておすすめです!
まとめ:お気に入りは見つかりましたか?
やっぱりボルダリングや登山漫画はまだまだ少ないです。
純粋なボルダリング漫画は最後の2つくらいですが、他の漫画もすごくおすすめです。
読み応えのある漫画ですが、神々の山嶺は本当におすすめです。
映画は少々役者が喋り過ぎなことが気になりました。
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