アップデート対象はパイソンとテスタロッサ!
2019年モデルは4月から発売!
今年もクライミングシューズの発売時期がやってきました。La Sportivaからは2つのモデルのアップデートが発表されました。今回アップデートされるシューズはインドアクライミングに革命をもたらしたパイソンです。そして、ミウラと双璧を成すシューレースの定番モデルのテスタロッサです。
どちらのシューズもスポルティバを代表するシューズです。そんな有名シューズだったのにここ数年アップデートがなかったシューズなのでその内容に気になりますね。今回はそんなシューズのアップデート内容を詳しく見ていきます。
パイソン2019年モデル
Image:La Sportiva Python New Edition | Outdoor 2018 - YouTube
まずはインドアクライミングに革命をもたらしたと呼ばれるパイソンのアップデートについてです。パイソンは足裏感覚を優先した最初のシューズだったといえます。その分寿命は短く、P3システム(靴の形を保つ構造)を持ってしても短命という特徴を持っていました。
パイソンは今回カラーバリエーションが増えました。昔からのオレンジと新カラーのライムグリーンです。今回変わったのはベルクロの形と色だけではありません。構造的にも手が加わっているとのことです。
Image:La Sportiva Python New Edition | Outdoor 2018 - YouTube
まずトゥラバーが薄くなっており、溝が掘られています。これはトゥフックの際、足の指を反らしやすくし、フックをより強力に掛けるために設計されています。また足の指を曲げやすくするということはスローパーやスメアリングにもより柔軟に対応できるようにもなっています。
次に靴の容量(サイズではない)が変更されています。つま先側に従来より多めの空間が用意され、つま先をより靴の先端に詰め込めるようになりました。靴の履きやすさ、快適さに加え、ギリギリまで足を残すという足裏感覚をより鋭敏化することができるとのことです。
最後にシューズに使われている皮についてです。色が変わっただけではなく、スウェードレザーの見直しもしているそうです。これは履いてみないとわかりませんが、より快適に履けるようにと設計され直しているということでした。
テスタロッサ2019年モデル
Image:La Sportiva Testarossa at OutDoor 2018 - Summer 2019 - YouTube
テスタロッサは2003年に発売されて、その完成度のために一度も大型アップデートがかからなかった、ある意味”完成”されたシューズでした。2003年当時は、あまりにも攻めすぎな形なのでは?とも言われていたそうです。
そんなテスタロッサが16年ぶりにアップデートを果たしました。アップデートの鍵は”均一性”です。
まず2019年のテスタロッサのヒールカップが変更されています。これは昨今のボリューム(ハリボテ)や小さなヒールフックに対応するためだと言うことです。また、オーバーハング(強傾斜)の壁にも対応するように設計されています。解説者いわく「ソールラバーを重ねてより粘りやすくした」とのことです。
Image:La Sportiva Testarossa at OutDoor 2018 - Summer 2019 - YouTube
次にシューレース特有のシューズにかかる圧力を均一化するように再設計しています。シューレース(靴紐)の配置が複雑になっているように、どんな足の形にも最適にフィットし、なおかつ足全体を均一に締め付ける様になっています。この設計は快適さにも繋がります。
スリッパタイプやベルクロ一本タイプのシューズにありがちな横向きのヒールフックでシューズがずれるってことは無縁でしょう。なおかつ足全体を均一に締め付けるので快適性にも優れているとのことです。
気になる最新シューズの発売日と価格は?
快適性を意識した新しいタイプのシューズの発売日ですが、2019年4月を予定しています。すでに入荷しているショップもちらほら出てきています。
なお、2019年モデルのパイソンはTrekkin.comではすでに発売されています。価格は11,691円となっています。個人輸入すればかなりお安く手に入れることができますね。
日本国内でも販売が始まっています。大まかな値段として新型パイソンが15,500円程度、新型テスタロッサは24,800円ほどになっています。なお、新作シューズなだけあってどのお店も品薄状態ですが。
パイソンはこちらからどうぞ。
テスタロッサはこちらから購入可能です。
より快適なシューズに
今回のラ・スポルティバのアップデートは”快適性”に向けたものだったと言えます。従来のクライミングシューズといえば足をガチガチに締め付けて小さなホールドに乗るっていうために設計されていました。ですが、昨今の課題設定ではスメアリングの摩擦力で耐えたり、コーディネーションランジのようなアスレチック的なムーブ設定が増えてきました。
今回のアップデートはそういった課題に対応しやすくするためのものかもしれません。ギチギチに足を締め付けるとスメアが効きにくかったり、コーディネーションランジのときに足の指の踏ん張りが効かず、動きが制限されることにつながったのではないでしょうか。だからシューズの容量に余裕をもたせ、快適性を高めたのではないでしょうか。
過去のシューズは足を締め付けることによってフットホールドをつかむように設計されていましたが、最近のクライミングの流行に従って進化しているようです。
もし今使っているシューズがヘタってきたのだったら2019年モデルの新作シューズに履き替えてみるのはいかがでしょうか?快適性と登攀性を両立した最新のシューズが発売されていますよ!
アイキャッチ画像はここから引用しました。La Sportiva Python New Edition | Outdoor 2018 - YouTube