オブザベーションとは日本語で「観察」「観測」の意味を持ちます。
特にボルダリングの世界ではどのホールドが使えるのか、どんなふうに登るのかを壁に張り付く前にイメージする作業をオブザベーション、略してオブザベといいます。
オブザベーションはボルダリングを行う上で非常に重要です。
壁に張り付いている状態で「次のホールドどこ?」とか「足どれだっけ?」と迷う時間が減るので、無駄に体力を消耗せずたくさんの課題を登れてしまいます。
とはいえ、いきなりオブザベーションをやれ!というのも無理な話。
この記事ではオブザベーションの基本を紹介していきます。
まずはこれだけ「ゴールはどっち?」
そんな基本的なことを…と思われるかもしれませんが、自分が登ろうとしている課題のゴールはどこにあるのかをしっかりと確認しておきましょう。
ゴールはスタートの真上方向にあるのか、横移動をさせられるのか、最低限スタートとゴールの位置関係を把握しておきましょう。
もちろんスタートホールドの真上にゴールがある方が優しい課題です。
足のホールドが自由な7~6級くらいまでは、これだけでも通用するオブザベーションです。
基本に立ち返ってオブザベをやろう!右手右足の法則を思い出そう
フットホールドが限定されてきてからがオブザベーションの重要性がぐっと増してきます。
あのホールドに右足を載せて、次は右手を出して…と考えていきます。
オブザベーションを行う前に「右足右手」の法則を思い出してください。
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右手を伸ばしたいときは先に右足をあげる。が基本となります。
それではオブザベーションの方法を紹介していきます。
手順として
- スタートの次のホールドをどちらの手でとるか考える。
- ゴールとゴール前のホールドをどちらの手でとるか考える。
- 課題の途中の持ちにくそうなホールドやホールド間の距離が大きいところの処理を考える。
の様に考えるとオブザベーションしやすくなります。
最初と最後のムーブを決めておいて、その後から道中を埋めていくという順番です。
スタートの次に出すのは右手?左手?
まずはここから決めましょう。
スタートの次のホールドは右側にありますか?左側ですか?
右側なら素直に右手を伸ばしましょう。左側でも同じです。
そうするとフットホールドに乗せておくべきは右足ですね。(右足右手の法則)
その次のホールドはどうでしょう。
更に右側にあるのだったら今持っているホールドをマッチ(両手で持つ)してから次の手を出したいですね。
逆に左側にあるのならダイアゴナルで右足のホールドに左足を入れ替えてつかみたいですよね。
更にその次は…というふうに考えていくとオブザベーションがやりやすいですね。
易しめの課題だとそのままゴールまでオブザベーション出来てしまいます。
ゴールは右手?左手?
ゴールホールドは両手でつかまなければいけませんが、ゴールホールドを最初につかむ手を決めます。
例えばゴールのひとつ前のホールドが左側にあればゴールは右手で取りたいですよね。
じゃあゴールひとつ前のホールドは左手で持ってないとダメだな、という風に手順が決まってきます。
あとはスタートからの時と同じように、更にもう一つ前は…と考えていきます。
核心はどうやって処理する?
核心とはその課題の中で最も難しい部分のことをいいます。
核心をどのように処理するかを中心にオブザベーションをしていきます。
例えばホールド間の距離がある場合、次のホールドをアウトサイドフラッギングでとるかダイアゴナルでとるか決めます。
ムーブが決まると自ずと使うホールドも決まってきます。
ダイアゴナルならこのホールドを右手で取らないとだから、その前のホールドは…といった感じですね。
フットホールドはどう決まる?
これまでは手を中心にオブザベーションの手順を考えてきました。
「じゃぁ足はどうすんのさ?」という方は右足右手の法則を思い出してください。
手の動きが決まれば自然と足の動きも決まってきます。
というのも、右手を伸ばしたいのであれば右足を先に上げておかないと行けないので、フットホールドはこれにしよう!と決まっていくわけです。
もちろん、使うムーブによっては置きたい足が変わってきます。
右手のダイアゴナルならホールドに置く足は左足ですね。
足のホールドは手のホールドを決めてから決めることが多いです。
また、ホールドの形や使いたいムーブでのせる足が変わってくるので、まずは手の動きを決めたほうがスムーズにフットホールドが決まります。
まとめ:オブザベがうまくなるとオンサイトも近くなる!
オブザベはオンサイトに不可欠なテクニックです。
オンサイトとは初見でその課題を登り切ることです。これはクライマーのレベルを表す1つの指標になっています。
オンサイトの級をあげるには入念なオブザベが必要です。
難しい課題になってくるとオブザベすら困難な課題もありますが、まずは6〜5級の課題でオブザベの練習をやってみましょう。
オブザベの途中で「この課題はあの人が作ったんだな!」とか「あぁ、この課題はこういうムーブをさせたいんだな」といったように課題を通してルートセッター(課題を作った人)と対話できるようになります。
こういった登る以外の楽しみもオブザベがうまくなると見つけられるようになりますよ!
ジムに行く時間が無いのであればyoutubeの動画をみてオブザベの練習をしてみるのも良いでしょう。
ただし一点だけご注意を。トッププロの課題はムーブが非常に高度で、オブザベがし難いものもありますので、NorthFaceCupなどのプロが参加していないような動画のほうがおすすめです。