寒い時期にボルダリングに行くと核心が岩の冷たさになったりしますよね。
薄いクライミングシューズのソールから伝わる冷たさとホールドを握る手のダブルの冷たさ…
おまけに川の近くだともっと寒くて…ってなりますが、寒い時期にしかできないクライミングがあるんです。
氷を登るアイスクライミング
そう、それがアイスクライミングです。
文字通り氷を登るスポーツで氷河にできた割れ目や凍った滝を登るスポーツです。
アイスクライミングはボルダリングのようなフリー(道具を使わない)クライミングではなく、エイド(道具を使った)クライミングに分類されます。
両手のピッケル、両足のアイゼンを使って氷の壁を登ります。
途中、確保をとるためにアイススクリューを使ったりします。
寒い時期に寒いところに行くので当然重装備になります。
文書で長々説明するより、実際の登りを見てもらったほうがきっとわかりやすいと思うのでどうぞ。
手の汗凍るアイスクライミングへの誘い
マムートがスポンサーになったアイスクライミングの紹介動画です。
ただでさえ危ないアイスクライミングを夜にやっちゃうあたり、命知らずなクライマーですね。
夜に氷が育つので良く表面がしまった状態でクライミングを楽しむことができるようですが…
でもライトアップされた夜の氷瀑はとても幻想的で見入ってしまいます…
ICE FALL: Night Ice Climbing | Scandinavian Frost Giants - YouTube
好きなところにホールドを作れていいなぁ?
アイスクライミングを初めて見たボルダラーはもしかしらたらこう思うかもしれません。
「自分の好きなところにピッケルとアイゼンを打ち込めていいなぁ。壁一面ホールドじゃん」
僕も最初そう思っていました。でも実はそうじゃなかったんです。
氷には色々な種類があるんです。
ピッケルやアイゼンを弾き返すくらい固くしまった氷やシャーベットのような氷、岩の表面に極薄く張った氷…
同じ滝にできた氷でもその生成過程や天候の影響で全く違う氷が出来上がってしまうのです。
アイスクライマーには氷の状態を把握して最適な位置へ手足をおかなければ行けないので、見た目以上にアイゼンやピッケルを打ち込める場所は限られているのです。
特に恐ろしいのが岩の表面に張った薄い氷、ベルグラです。
見た目は普通の氷と変わりないことも多いベルグラはピッケルの衝撃やクライマーの体重に耐えられず、いきなりバリバリと割れてしまいます。
その恐ろしさはボルダリングのホールドに本物そっくりの紙のホールドが紛れ込んでいるくらいの恐怖です。
アイスクライマーからも危険視されています。
QUARK, NOMIC, ERGO [日本語] Ice tools for ice climbing, mountaineering and drytooling - YouTube
とあるクライミングマンガでは「やべぇグラベルを打っちまった」で滑落死してしまうクライマーが描かれています。
傍から見る分には好きなところにピッケルを打ち込んでいるようですが、決してそんなことはなく、高所&氷壁という非日常的な環境において的確な判断を下せる冷静さが常に求められている超ハードなスポーツです。
ボルダリングと意外な共通点
実はボルダリングで使われるムーブもアイスクライミングでもよく使われています。
それがフィギュア4です。
ボルダリングではなかなか使用する機会のないムーブですが、アイスクライミングではよく使われています。
他にもランジも極稀に使われるようです。
ICE FALL: Night Ice Climbing | Scandinavian Frost Giants - YouTube
アイスクライムデビューしたい人はまずは体験から
アイスクライミングの装備は結構な値段がします。
ピッケル一本3万円、アイゼン一足2万円とかします。
つまり全裸で登るにしろ初期費用は10万円はくだらないということですね。
そういった人向けにアイスクライミングの体験教室が用意されています。
まずはこういった教室でアイスクライミングを体験してみるのはいかがでしょうか?
もちろんアイスクライミングは真冬が旬です。氷が緩み始める春先のアイスクライミングではこういったハプニングがよくあるそうです。
ICE FALL: Night Ice Climbing | Scandinavian Frost Giants - YouTube
ちょっと怖すぎませんかねぇ…