いくつかのクライミングシューズにはレディースモデルが用意されています。
時々レディースモデルを使っている男性クライマーもいるのですが、それはどういう理由からでしょうか?
そもそもレディースモデルって?
デザイン以外で男女用の靴が別々ってあんまりないですよね。
靴の大きささえあっていれば男女おそろいのコンバースだって履けます。
でもクライミングシューズにはレディースモデルが専用に用意されています。
その理由は大きく分けて2つあります。
- 足の大きさと形が男女で異なるから
- シューズの想定体重が異なるから
これらはクライミング独特の特徴があり、だからこそ男性でもレディースモデルを使用する人がいるんです。
足の大きさと形の違い
一般的に男性より女性の方が足のサイズが小さいですよね。
だったら小さいサイズのクライミング使えばいいじゃないか。
ってなるんですけど、レディースモデルが設計される理由は他にあります。
まず1つ目が「踵(かかと)」
同じ足のサイズでも男性の方がかかとが大きいです。
これはかかとの骨「踵骨」が女性の方が小さいためです。
そのためレディースモデルの方がヒールカップが小さめにデザインされています。
他にも女性の方が骨格自体が細いので前足部の幅が狭く、厚みも薄いです。
細く・薄い足の形をしているので、単にサイズを合わせるだけだと男女でフィット感に差が生まれる可能性があるんです。
特にかかとは重要で、小さいホールドにヒールフックをやるときなんかは、ちょっとしたズレも許したく無いですよね。だから専用設計なんです。
想定体重の違い
女性の方が男性と比べて体重は軽いです。
それはクライミングに置いて重要な違いです。
男性用のシューズは男性の体重に負けないように頑丈に作らなければいけません。
ただし固く頑丈ってだけじゃダメで、ホールドに沿うように若干シューズが変形するように設計されています。
こういうクライミングをホールドにベタッと押してることをスメアリングというのですが女性の体重とパワーでは靴を十分に変形させることができない場合もあるんです。
だからといって柔らかめに作ってしまうと男性の体重を支えきれずに小さいホールドをエッジングできない…
なんてことがあるのでレディースモデルが専用に設計されます。
特にエッジングシューズと呼ばれる小さいホールドが得意なシューズは靴の硬さが重要です。
20年以上のロングセラーモデルのLa SportivaのMiuraも男女モデルが別々に設計されています。これはシューズの想定体重が異なるためなんです。
男性がレディースモデルを使うメリットは?
ここまでレディースモデルの特徴を説明してきましたが、じゃぁなんで男性がレディースモデルを使うのかってことを見ていきます。
それは小柄で細身の男性だとメンズモデルがピッタリフィットしないからという理由からなんですが、その原因は先述した足の形と体重の違いからなんですね。
言ってしまえば当たり前なんですが、裏には骨格や想定体重の違いがあったわけです。
足の骨格や体重が女性に近い男性ならレディースモデルを使用するのを検討できますが、ただ単に小柄な男性がレディースモデルを使うと逆にフィット感が得られない可能性すらあるので注意が必要です。
なお、普段使いはメンズモデルで、勝負シューズは同モデル同サイズのレディースモデルを使っている男性クライマーもいます。
やはり小さく細いので長くは履いてはいられないけれど、フィット感は抜群だからそうしているそうです。
他にもジムではメンズモデル、外岩だとレディースモデルという使い分けをしている男性クライマーもいます。
もし今使っているシューズがしっくり来ない…って人は自分のシューズにレディースモデルがあるか確認してみるのはいかがでしょうか?
レディースモデルがあるシューズ
最後にレディースモデルがあるクライミングシューズを少し紹介していきます。
業界大手のLa Sportivaがレディースモデルの品揃えが豊富です。
La Sportiva Solution