スポルティバ・ファイブテン・スカルパ・テナヤ…
ボルダリングワールドカップ@八王子
6月2日3日に八王子で開催されたボルダリングワールドカップ。男女のTOP3の6人の内、4人が日本人というとんでもない結果になったのはご当地日本は八王子だったからでしょうか。
今回のボルダリングワールドカップのリザルトはこうでした。
男子の部
- カブリエーレ・モローニ(伊)
- 楢﨑 智亜
- 杉本 怜
女子の部
- 野口 啓代
- 野中 生萌
- エカテリーナ・キプリーアノワ(露)
TOP3以下の選手のリザルトはこちらのページからどうぞ。
気になるのはこの世界トップの選手がどんなクライミングシューズを使ってたの?ってところですよね。ボルダリングの面白いところは、どんなクライマーでも装備はトップクライマーと同じモノを使えるって所。
自転車が好きな人がツールドフランスと同じ自転車に乗ろうとすると100万円以上かかる上、体格によってはその自転車も乗れなかったりするわけです。F1なんかだとほとんど不可能ですよね…でもボルダリングならトップクライマーと同じ装備を使うことができるんです!
そういうわけで、今回は2018ボルダリングワールドカップの男女TOP3クライマーがファイナル課題で使っていたシューズを紹介したいと思います!
男子優勝:ガブリエーレ・モローニ
今回初優勝を飾ったイタリア生まれの30歳。これまでの成績は2014年からのボルダリング大会で一桁順位に入ったのが5回。しかもこれまでの最高順位が6位というクライマーです。
ファイナル課題でゴールホールドを取った時、ゴールホールドに額をつけ、心からの絶叫の表情がこれまでの苦悩を物語っているようです。
Image:IFSC Climbing World Cup Hachioji 2018 - Bouldering - Finals - Men/Women - YouTube
ファイナルステージの課題はオンサイト。オレンジのボリュームを意地でも離さないぞ!っていう根性が感じられてうるっと来ました。
使用シューズはスカルパのドラゴ。
ライムグリーンと真っ赤なベルクロテープがあるので一発でわかりますね。こちらは決勝課題でのワンシーン。
Image:IFSC Climbing World Cup Hachioji 2018 - Bouldering - Finals - Men/Women - YouTube
これだとちょっとわかりにくいので、ファイナルステージの他の課題でのショットがこちら。シューズの色使いや黒の入り方なんかを見ると完全にドラゴですね。イタリアの選手だから、やっぱりシューズもイタリアンなんでしょうかね。
Image:IFSC Climbing World Cup Hachioji 2018 - Bouldering - Finals - Men/Women - YouTube
男子準優勝:楢﨑 智亜
前年と同じく準優勝の楢﨑 智亜選手。
Image:IFSC Climbing World Cup Hachioji 2018 - Bouldering - Finals - Men/Women - YouTube
同じ決勝課題のでショット。楢崎選手はガブリエーレ選手と同じくランジで初手を止めたのですが、ガブリエーレ選手が止めた1つ上のボーナスホールドをいきなり保持したので「このランジ大明神め…」と心の中でつぶやいてしまいました。
楢崎選手といえばやっぱりファイブテンのハイアングルでしょう。そしてやっぱり今回もファイブテンのハイアングルを使用していました。
ファイルの第一課題でのスリップフォールに苦しんでいて、ソールを頻繁に磨いていたのが印象的でした。その時のシーンがこちら。このブルーとグレーが特徴的なシューズはハイアングル。しかもシンセティックレザーモデルでもないようです。
Image:IFSC Climbing World Cup Hachioji 2018 - Bouldering - Finals - Men/Women - YouTube
男子第3位: 杉本 怜
八王子の次のボルダリングワールドカップで優勝を収めた杉本選手。札幌出身です。決勝課題でも同じシューズを使用していたのですが、カメラが遠目でわかりにくかったので、決勝第一課題からの写真。
Image:IFSC Climbing World Cup Hachioji 2018 - Bouldering - Finals - Men/Women - YouTube
この特徴的な模様は見間違うわけがありません。La SportivaのFuturaですね。しかも最新モデル。
男子TOP3で唯一のLa Sportiva使いにしてノーエッジユーザー。この決勝第一課題では左足のスリップフォールが連発していたのですが、Futuraではスリップフォームも少なかったように思えます。でも結局、杉本選手は完登できませんでしたが…
女子優勝:野口啓代
10年以上も第一線で活躍している野口啓代選手。前回の八王子大会では準優勝でしたが、今年はきっちり優勝を決めていきました。しかもファイナルの最終課題はオンサイト。決勝課題はスカイブルーガーリックサーフというツルツル(本当にツルツル!)とザラザラのホールドが豪華に使用されています。
決勝課題を完登したときの瞳に涙をためてガッツポーズをしている姿に女王にも涙ってしみじみ。表彰台で涙をこらえきれずに手で口を覆ってしまうところなんかぐっときちゃいます…
Image:IFSC Climbing World Cup Hachioji 2018 - Bouldering - Finals - Men/Women - YouTube
使っているシューズはSolutionではなくSkwamaのウーマンモデルです。Solutionが新モデルになってから野口選手はSkwamaを使っているようですね。
以前にSolutionで不満がないから、特にSolution以外を使う気もないっていうインタビュー記事を見たことがあるのですが、新モデルのSolutionはお気に召さなかったのでしょうか。
Image:IFSC Climbing World Cup Hachioji 2018 - Bouldering - Finals - Men/Women - YouTube
ちなみに伊藤ふたば選手は同じSkwamaを使っているのですが、彼女はメンズモデルを使っています。
準優勝:野中 生萌
ここ5大会連続で2位を死守している野中選手。上位を維持しているあたりポテンシャルは確か。現にファイナルの最終課題をオンサイトしています。その実力は最終課題をオンサイトしたときにIFSCの実況に”Absolutely Crazy”と言わしめるほど。
Image:IFSC Climbing World Cup Hachioji 2018 - Bouldering - Finals - Men/Women - YouTube
ちなみにこのおしゃれなテーピングはどこに売ってるんですか?教えてくださいよ!
使っているシューズはテナヤのオアシですね。
カエルのロゴが特徴的で、ベルクロが2本に別れているので特定できますね。
Image:IFSC Climbing World Cup Hachioji 2018 - Bouldering - Finals - Men/Women - YouTube
第3位:エカテリーナ・キプリーアノワ
ロシアからの新星、エカテリーナ。正直知らないクライマーだった…なにげに今回の八王子大会が最高順位です。
Image:IFSC Climbing World Cup Hachioji 2018 - Bouldering - Finals - Men/Women - YouTube
あんまり情報がない謎なクライマーです…これからの活躍に期待したいですね!
使っているシューズはきっとスカルパのキメラですね。
今大会のTOP3の選手の内、唯一のシューレースユーザーでした。
Image:IFSC Climbing World Cup Hachioji 2018 - Bouldering - Finals - Men/Women - YouTube
シューズ以上に気になる日本人女子のあれ…
これなに?
Image:IFSC Climbing World Cup Hachioji 2018 - Bouldering - Finals - Men/Women - YouTube
Image:IFSC Climbing World Cup Hachioji 2018 - Bouldering - Finals - Men/Women - YouTube
選手が入場するときに流れるテロップに注目してみてください。日本人女子選手のおどけっぷりが炸裂しています。特に準優勝の野中選手と優勝の野口選手。それぞれバナナとリンゴ(?)をつかって視聴者に謎のアピールをしています。
男子選手はガッツポーズをしたり、腕組みしたりそれっぽいポーズなのですが、日本人女子選手のあどけないアピールと入場時の緊張感のある表情のギャップがなんかシュールですね…
同じシューズを使っても…
いくら同じシューズを使っても登れない課題が急に登れるようにはならないのが悲しい所。もちろん靴の形と足の形がフィットしないと快適なクライミングが楽しめないのですのでご注意を。
太っ腹にもIFSCはボルダリングワールドカップの動画を予選と決勝を無料で公開しています。今回の記事もこの動画をみて執筆しました。他の選手のシューズが気になる人は是非チェックしてみてくださいね!