以前、キャンパスボードのトレーニング記事を書きました。その頃は私自身そこまでキャンパスボードに慣れ親しんでいなかったので、割りと甘めのトレーニングでしたが、今回はちょっとハードなキャンパスボードトレーニングの方法を書いていきますよ!
キャンパスボードはクライミングに慣れてから!
キャンパスボードを使ったトレーニングは手首や指の腱に非常に強いストレスを掛けて行うので、5級が登れたからそろそろ…って人には、負荷が強すぎてケガをしかねません。
最低でも1年以上のクライミング経験と3級以上の課題と戦えるようになってからキャンパスボードでのトレーニングをおすすめします。
以前書いたデッドハングやタッチトレーニングじゃ物足りないぜ!って人向けのトレーニングなのでくれぐれも無理はしないでくださいね!
オープンハンドで保持しよう!
キャンパスボードを保持する時、思ったより指のかかりが浅くて思わずカチ持ち(フルクリンプ)してしまうことがありますが、これはあまり良くありません。
上の図で言うと”A”の持ち方でキャンパスラングを保持しましょう。BやCはハーフクリンプ・フルクリンプと呼ばれ、極小のエッジを処理する時の持ち方です。
なぜオープンハンドで持つのかというと、カチ持ち状態で連続してデッドやランジをやると腱に重大なダメージが蓄積され、パキりや筋断裂などの重大な故障を招いてしまいます。キャンパスラングをオープンで持てないというのは、まだまだキャンパスボードトレーニングには早いってことです。キャンパスボードは逃げないのでじっくり他のトレーニングをしましょう。
ラダー
やはりラダーは外せませんよね。空中をスイスイと登っていく姿はハードトレーニーそのものです。このラダートレーニングはかなり難易度が高いので最初のうちは反動を使いましょう。
右手を伸ばす時は右足を振り上げるように、左手を伸ばす時は左足を振り上げるようにします。まるで振り子が揺れている様な感じですね。こうすれば比較的ラクにラダーをやることが出来ます。
ラダーと言っても1つずつ登るのと1つ飛ばしで登るのとでは難易度が全然違います。1つ飛ばしのラダーの登り方を”1−3−5”と読んだりします。マッチを挟まずに一つずつ登るのであれば1−2−3です。
マッチを挟むのであれば1−2−2−3のような記号になります。最初なら1−2−2が限界だと思います。それでも十分なので1−2−2−3から1−2−2−3−3、1−2−2−3−3−4と1つずつ登れるキャンパスラングを増やしていきましょう。
スイッチ
このトレーニングは左右別々の高さのキャンパスラングを保持し、デッドの要領で左右の手を入れ替えるというトレーニングです。
デッドで体を真上に持ち上げるための筋力と、入れ替えの瞬間保持する筋力が鍛えられます。かなりハードなのには変わらないのですが、体の位置が変わらないのでまだ、ランジラダーよりも難易度は低いです。
注意すべきは、両手がキャンパスラングに触れるタイミング。妙に時間差が生まれてしまうと片手にかなりのストレスがかかるので、出来る限り両手同時にキャンパスラングをつかむようにしましょう。
ランジラダー
これが最もハードなキャンパスラングのトレーニングの一つです。ランジでパシパシとキャンパスボードを登っていくトレーニングです。その難易度はちょこっとラダーが出来るくらいでは全く歯が立ちません。
私自身、ランジラダーは本当に苦手なトレーニングで3回に1回くらいしか成功しないです…下手ながらコツがあるとすると、しっかりと腕を伸ばして溜めを作るってところかな?と思っています。
腕を下げすぎると体を持ち上げる距離が伸びるのでやめたほうがいいかなぁと思っていたのでうが、気持ち深めに沈んだときのほうが飛距離がアップするのでしっかりと腕を伸ばしたほうがいいかもしれません。
キャンパスボードトレーニングの恐るべき効果とは?
キャンパスボードのトレーニングをしていていいことが2つあります。その1つ目がスタミナと筋力の最大出力が増えるってことです。車でいうと重量が変わらないのに燃料タンクと排気量が増量した様な感じですね。
手数の多い課題だと後2手でヨレて墜落…ってのもあると思いますが、キャンパスボードで鍛えていたら、後一手が決まるようになりました。声が出ることもありますが…
2つ目が最強なのですが、キャンパスボードをやっていると
「ガバホールドが増える」
ってことです。
キャンパスボードって大きなものでも最大でも約30mm以下の厚みしかありません。そんなホールドに対してランジやらデッドやらやってるんだから、大抵のホールドがガバになります。スローパーは永遠の弱点…
キャンパスボードトレーニングをやってて何が良かったって、これですよ!例えばガバからのデッドが核心の2級課題のセッションをすることがあったのですが、セッション仲間が「あのカチからの長いデッドはきっついわ〜」「だよなぁ〜」とぼやいていたのを聞いて「えっあれガバじゃないの?!」心のなかで驚いたのを覚えています。
さらにそれにプラスして上記のスタミナですよ!核心取りに一回失敗したくらいでは簡単にフォールしなくなります(もちろんダイノとかは除く)。レスト出来るホールドが増えるので、めちゃくちゃに粘り強いクライミングが可能になります。
悪影響としてルートセッターの意図をぶち壊しがちであるとか、初心者にムーブのお手本を教えられなくなるとかありますが、クライミング力の底上げには一役買うのは間違いないですよ!
本当にケガだけには気をつけてキャンパスボードトレーニングをしてみるのをおすすめしますよ!どうです?家でもやりたくなっていたでしょう?家にフィンガーボードをを取り付けて疑似キャンパスボードトレーニングをするのもありですよ…!
最後にくれぐれもオーバートレーニングには気をつけてください。手首が抜ける・伸びる感覚とかあったら、ほとんど故障してるようなもんなので、しばらくはキャンパスボードを使ったトレーニングから離れたほうが良いでしょう。