ボルダリングジムで1級を登れるようになったら次は初段ですよね。初段。簡単な課題じゃありません。テクニックやパワー以外にも心理的な要素も必要になってくると感じます。今回は私が初段を登れるようになるまでにやったこと、そしてやめたことについて紹介していきます。
やったこと:1級と戦う
当たり前ですが、まずは1級を落とせる・戦えるように練習しました。
7級や5級で戦っている人ならば、まれに2つ上のグレードが登れちゃったりしますが、2級が最高グレードの人ならばまず初段を落とすことは出来ないと思います。よっぽど得意系の課題であればワンチャンあるかもしれませんが、基本的には段階を踏んでいくことをおすすめします。
1級だって優しくありません。1級をちょこちょこ戦える様になってから初段にチャレンジするのがベターでしょう。弱い輪の理論を理解して強くなりましょう。
1級に関してはこちらの記事をどうぞ。
やったこと:外岩に行く
なにげにこれが一番大きかったかもしれません。外岩をやっている人ってこんなに薄いホールドや滑りやすいフットホールドに乗っていたのか!って感心しました。人が使うことを前提にデザインされているホールドとくらべて、天然の岩ってこんな感じなんだ!っていい刺激になりました。
でもそれ以上に思ったのが「ジムって守られてる!」ってところです。ジムでもケガをしますが、クラッシュパッド意外に落下すると即ケガな外岩と比べるのが無理なくらい安全面ではジムが圧勝です。
ランジ失敗して骨折とか、落下したら川底とかジムではまず起こり得ないでしょう。だからこそジムでは思い切ったムーブができるようになりました。ヒールフックが抜けたら背中から落っこちる場面でも「落ちてもデカいケガはしねぇ!」と変な勇気を持てるようになりました。
やったこと:キャンパスボードトレーニング
トレーニング面では普通の課題の他にキャンパスボードトレーニングを取り入れました。3級くらいの頃からちょくちょくやっていたのですが、最近本気で取り組んでいます。
やることはシンプルに懸垂とラダートレーニングです。懸垂は10秒ぶら下がって3〜5回ゆっくりと行うと効果的です。
私はこの動画のように1段飛ばしとかは出来ませんが、1つずつパシパシと登っています。最近はランジで登ろうとしていますが3回に1回くらいしか成功しません…
キャンパスボードでは保持力が鍛えられるってのとデッドなどのムーブの時に飛び出しがよくなってリーチが伸びた気がします。
キャンパスボードをやってみたいって人はこちらの記事をどうぞ。
やったこと:物理法則を信じる
信じるなんてそんな心理的な要素が必要になってくるの?って感じですが、わりと心の支えになりますよ。
スラブの記事にも書きましたがクライミングと物理法則って密接に関係しています。作用反作用の法則とか支点や力点による作用点の影響とか基本的な物理の法則を理解しておくと精神的な余裕が生まれます。
例えばめちゃくちゃに滑りやすいホールドに乗っている時に「摩擦力の法則によれば押し付ける力が大きければ大きいほど摩擦力が増すはず。だから怖がらなくても大丈夫!」とかです。
私は割りと理論ガチガチのクライミングをするので参考にならないかもしれませんが、大丈夫な理由を探ることで精神的に余裕のあるクライミングが出来ますよ。
やめたこと:難しい課題を避ける
2級くらいから課題の数が少なくなってきて、1級や初段の課題しかやるものがないってことになりがちです。最高グレードの2つ上の課題って核心はおろか、スタートすら切れないって事がありがちで、「俺にはまだ早いや…」って思いがちですが、それってスゴくもったいないことだったって感じました。
スタートが出来なくても、1手しか進まなくても「とりあえず触ってみる」ってのが重要です。グレードが難しくなってくると進捗がなくてモチベが下がりがちですが「今日はスタートできる1級課題が3つあった!」とか「あの初段で2手目に触れた!」とか細かい進捗がクライミングの成長を促すのだと思いました。
やめたこと:米(炭水化物)を食べるのをやめた
これはもう1年以上続けていることなのですが、週に1度くらいしかお米(炭水化物)を食べません。低糖質ダイエットをやっているってわけではないのですが、もともと太りやすい体質だったので、過剰な体重増加を避けるために米やパンを食べるのをやめました。
基本の主食はサラダで、一食には何らかのタンパク質(魚多め)の生活をずっと続けていました。そういった習慣によって気づけば初段が登れる体づくりが出来ていたのかもしれません。
ちなみにお酒はほぼ毎日飲んでいます。ほぼウイスキーやハイボールですが。
初段を落とすために…
初段って2級や1級と違った重みのある課題です。なにせ、初段を落とせると「段クライマー」になれるわけですからね。そういった重みのある課題ですが、もし上に書いた「やったこと・やめたこと」で一番を選ぶとすると「難しい課題を避けるのをやめる」ってのが一番大事だと思います。
やっぱり触らない課題は登れないわけで「俺にはまだ早いや…」って避けているうちは本当に登れません。スタートすら出来なくて笑われたら嫌だなぁって思うのは、もちろんあると思いますが、別にその課題を独占しているわけではないのだったら堂々とスタート落ちしましょう。
だって本当は1級だって初段だって登れるかもしれないのに、自分で自分をしょぼい鎖で縛ってしまうのってもったいないじゃないですか?自分がそう思っているだけで、肉体的には十分にグレードの更新を狙えるレベルになっているのかもしれませんよ?