ボルダリングには色んなタイプの壁があります。今回紹介するのが奥に倒れた「スラブ」と呼ばれる壁と垂直に切り立った壁「垂壁(すいへき)」です。数あるボルダリングの課題の中でも課題が特徴的なのがこのスラブと垂壁。スラブが得意な人をスラバーと呼ばれたりしたりします。
スラブ・垂壁を見る!
百聞は一見にしかずってことでスラブと垂壁の課題を見てみましょう。
まず、こちらが若干奥に傾斜したスラブと呼ばれる壁です。
そしてこちらが垂直・90度に切り立った垂壁と呼ばれる壁です。
ぱっと見ても、課題に使われているホールドが極端に小さかったり、大きかったりするのがわかるかと思います。でっかいハリボテを持たされると思いきや、フットホールドはフェイスが出ていない小さいくて滑りやすい小さなホールドだったりします。
スラブ・垂壁の課題とは?
こういう壁の課題の特徴として「ホールドがすごく悪い」とか「ホールド同士の距離が遠い」であるとか「ムーブが全然わかならない!」というものがあります。特にスラブ壁だと奥に傾斜しているので、腕を使わずにバランを取るような非常にバランシーな課題も出てきます。
垂壁やスラブであるということは、足に体重さえ乗っていればほとんど腕の力がいらないでしょ?という考えの下で課題が作られているので、足の使い方が非常に重要になってきます。またホールド同士が非常に遠いので、開脚の可動域が広いなどの体の柔らかさなどの身体的な能力も求められる課題が多いです。
また、スラブ・垂壁の課題はスローパーやハリボテなどの悪いホールドをいかに処理するかを注目しがちですが、スラブや垂壁は足でしっかり立ち込めているということが前提に作られていることが多いです。つまりフットホールドをいかに上手に使えるかが課題をクリアできるかどうかの分かれ道になってきます。
スラブ・垂壁のフットホールドはとても小さくて不安定です。高校物理で習うのですが、
摩擦力にはF=μNという方程式が成り立ちます。
摩擦力Fは物質の持つ静止摩擦力係数μと押し付ける力Nで表されます。
つまりはフットホールドは踏めば踏むほど摩擦力が増します。μとNが掛け合わさているということは両者とも比例の関係にあるということです。
逆に落下を怖がって軽く足を乗っけておくと逆に滑りやすくなっちゃいますよ!ってことなんです。
スラブ・垂壁の攻略法!
スラブ・垂壁の課題はどうしても体の柔軟性が重要になってきます。でも一朝一夕で180度開脚ができるようにはなりませんよね。体が柔らかくなると使えるホールドが増えますが、体が柔らかくなるまでジムの課題替えは待ってくれません。
そこで手っ取り早く攻略するには今乗っているホールドをしっかり踏むという意識が必要です。踏めば踏むほど摩擦力が増すのは物理学が証明してくれています。でも不安定なホールドに乗り込むのはとても怖いですよね…そういった場合は静止摩擦力係数をあげる、つまりブラッシングをしっかりとやりましょう。
ホールドはもちろんのこと、クライミングシューズの靴の裏をしっかりと磨き上げましょう。そうすれば滑りにくくなること間違い無し!
もし外岩などで長期的に課題に取り組める環境ならば、体の柔軟性を高めるのもありでしょう。今は180度開脚どころか360開脚が出来るようになる本が出版されています。
180度開脚の本もあるのですが、半分がよくわからない小説なのであまりおすすめはしません…本の作りは非常に良いです。
どんなに体がかたい人でもベターッと開脚できるようになるすごい方法
- 作者: Eiko
- 出版社/メーカー: サンマーク出版
- 発売日: 2016/04/25
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (8件) を見る
ケガには注意!
最後にスラブ・垂壁は怪我しやすいってことに触れておきます。どうしてもスリップフォール(足を滑らせて落下)が多いのと、落下の際に下にあるハリボテなどの大きなホールドに着地してしまうなんてことが起こりやすいです。
そういった不幸なケガを回避するためにも最低限、両膝と両肘をカバーできる服装で登ったほうがベターです。もしも怪我した時用に絆創膏は携帯しておきましょう。絆創膏はキズパワーパッドがおすすめです。傷の治りも早いですし、後も残りにくいです。
【Amazon.co.jp限定】BAND-AID(バンドエイド) キズパワーパッド 大きめサイズ 12枚+ケース付 絆創膏
- 出版社/メーカー: ジョンソン・エンド・ジョンソン
- 発売日: 2017/04/13
- メディア: ヘルスケア&ケア用品
- この商品を含むブログを見る