前半は不要。インスタとTwitterフォローは必須。
運動脳をグングン鍛える チバトレ
ボルダリングの参考書として最近発売されたのがこの「運動脳をグングン鍛える チバトレ」、略してチバトレ。作者はプロトレーナーの千葉啓史さん。ボルダリングをやっている人なら知っている楢崎智亜選手と野口啓代選手のトレーニングを見ていたってことで日本いや、世界トップクラスのクライマーのトレーナーが書いたという本なのでさっそく購入してみました。
表紙も楢崎選手が写っていてボルダリングを非常に意識したデザインとなっています。口絵も楢崎選手と野口選手がカラー写真で紹介されていて「クライマー意識しているなぁ…」って感じます。そしていきなり始まる楢崎・野口両選手と千葉さんの対談。
これには「?!」という感情を隠すことが出来ず思わず困惑。楢崎選手はチバトレを始める前までは全く大会でも優勝できなかったのに、チバトレをやり始めて急に優勝できるようになりました!とか野口選手の登り方を見て千葉さんはこう思った…などなどの対談が前半30%程を占めます。
確かにチバトレの効果を詳細に紹介することで読者の期待を煽るのは大いに結構な戦略ですが、ちょっとこれは長すぎ…いつになったら本題のチバトレは始まるんだろ?って思ってしまいました。商品説明にも
まずは本書内「あなたの身体操作レベルチェック」から始めてみてください。
※商品説明
って書いてあるのにレベルチェックが中盤くらいからしか始まらないのはどういうことなんだろう?こういう対談をどうしても付けたかったのならあとがき的な所にかいてほしかった…
四足二軸運動理論
このチバトレの最たる主張がこれ。四足二軸運動理論という聞きなれない言葉。詳しくは本書を読んでほしいのですが、この運動理論で行けばクライミングだけじゃなく、色んなスポーツで上手に体を動かせますよ。その四足二軸運動理論のトレーニングにチバトレが有効ですよっていうことがこの本の主張。
ここのストーリーは単純明快、非常にわかりやすい。四足二軸運動理論とか、そういう体の動かし方にそういった考えを持っていなかったので、なるほどねぇ〜と感じます。が、問題はその四足二軸運動理論のトレーニング方法。これがちょっと、分かりにくい…
どんなトレーニングもそうなんですが、正しい方法でトレーニングしないと効果は半減とか言うじゃないですか?それってチバトレも同じで、正しい方法でやってくださいね!と書かれているんですが、その正しい方法がよくわからない…
amazonの商品説明にも書かれているんですが、
あまり世の中に流通していない動きばかりです。
とあるんです。実際その通り。あぐらの体勢からするトレーングとかなかなか思いつきませんよね。だからこそ白黒写真の連続写真だとよくわからないことこの上ない…簡単な動きで想像できそうなのはいいんですけど、ちょっと複雑なムーブ(?)担ってくると、とたんに迷子。正しい動きができているのか急に自信がなくなっちゃいます…
ならばフォローしよう。
Twitterとインスタをだ!
幸いなことに(?)著者の千葉さんはSNSでご自身のトレーニング講習会の様子を公開されています。その様子をみて「こんな感じなのかな?」と想像しながらトレーニングをすることをおすすめします。
完璧にフォローされているわけじゃないですけど、多少のイメージの補完になります。とはいえ、こういったトレーニング本を出版するのなら簡単でもいいからDVDやどこかに動画をアップロードしておいてほしいですね…動作だけ簡単に紹介して、「このトレーニングの効果や注意点は紙の本でみてね!」みたいなことはやってはくれないのでしょうか…
あと、紙の本しか出ていなのも不親切。ページを押さえていないとトレーニング出来ないのでスマホやタブレットで見れるように電子書籍も出して欲しい。出たら買うから!紙の本持ってるけど買うから!
1冊目にはおすすめしない副読本
3級以上の課題がある程度出来るようになって、新しいトレーニングやオフトレを考えている人に向けてはおすすめできる本ですが、5級でヒーヒー言っている脱初心者くらいの人にはおすすめできない本です。ボルダリングを初めて半年から1年程度経った頃に読んでみるといいかもしれません。
では1冊目におすすめする本は?と言うとやっぱりスポーツクライミング教本。ボルダリングジムで使えるテクニックがキレイにまとまっているので、最初買うならこれでしょう。
この本に書かれている事をマスターしたぜ!って人は是非、チバトレも試してみてはいかがでしょうか?難はあるとは言え、クライミングの刺激を受けるってのは間違いないです。特に楢崎選手と野口選手の筋トレメニューやジムでの過ごし方なんかが紹介されているのできっと参考になると思いますよ!