手の甲でホールドをつかむ特殊なムーブです
レアなムーブ「ジャミング」って?
ジャミングとは岩の割れ目に手のひらを挟み込み、その状態で握りこぶしを作ることで突っ張り棒の要領で割れ目をつかむ特殊なムーブです。
ジャミングを実際に使用することは非常にレアです。というのもジャミングとは岩の隙間に手や足をねじ込んで固定するというムーブなので外岩でもボルダリングジムでも使う環境自体がレアだからです。
ボルダリングジムで壁にひび割れがあるようなジムって凄くレアですよね。もともとジャミングというテクニックはひび割れがある壁を登る時に使用するムーブなのでボルダリングとは縁遠いかもしれませんね。
ジャミングのやりかたは?
ジャミングにはひび割れの大きさによって様々な種類が存在しています。例えば薄めのひび割れにはフィンガージャムやサムカム、ちょっと大きめのひび割れにはフィストジャム。もっと大きくなってくるとリヴィテーションとかアームバーやフットジャム、Tスタックなどと、大きさによって様々なジャミングの方法があります。
今回は比較的メジャーなハンドジャム(小さい〜中くらいのクラックに使用)を紹介していきます。やり方は比較的簡単。隙間に手を入れて隙間の中で指先と手の甲で突っ張る様に手を「く」の字に曲げこんでいくだけです。
Image:https://www.youtube.com/watch?v=CtOFE8rt95M
ムーブとしては比較的シンプルですが、隙間さえあればどこでも使える汎用性の高いムーブです。しかし、鍛えられていない手の甲側がホールドや岩のザラザラにさらされるので超!痛いです。手の甲部分が真っ赤になってしまうので、テーピングは必須です。
他にも手で握りこぶし(フィスト)を作るフィストジャミングもあります。この時親指は拳の中に握り込むのが普通ですが、クラックの大きさによっては親指を拳の外に出して厚みを調整します。
Image:https://www.youtube.com/watch?v=CtOFE8rt95M
先程の例よりもちょっと幅広めのクラックにも対応できますが、超痛いのにはかわりありません。ジャミングをするときは必ずテーピングはしておきましょう。
で?実際の使い所はあるの?
使おうと思えばどこでも使えるような汎用性の高いムーブですが、ジムでも外岩でもなかなか使う環境がありません。ムーブの引き出しの中にこっそりと入れておくのがベターなムーブですね。個人的にはニーバーやフィギュア・フォー以上に使うのがレアなムーブです。
一度だけ使用した事があるのですが、壁の隙間ではなくハリボテとハリボテの間をどうしても持てなくてハンドジャムを使いました。手の甲がズルズルに内出血するくらいにはダメージがあるのでガッツリテーピングを巻いて手の甲を保護しましょう。
とはいえ、ジャミングを知っているのと知らないとではボルダリングに差が出ます。2019年のボルダリングワールドカップではジャミング課題が出てきました。
Image:IFSC Climbing World Cup Meiringen 2019 - Bouldering Finals - YouTube
これからのボルダリングではジャミングを使った課題設定も出てくるかもしれませんね。
ハンドジャムが使えるジムが登場?
そんな使いどころがないと思われるジャミングですが、クラックを備えたボルダリングジムが登場しました。
非常に珍しいクラックが人工的に配置されたボルダリングジム。それがジャムセッション三鷹です。こんな風にクラックが用意されているジムは見たことがありません。写真から見えるように細長いクラックがたくさん用意されていてハンドジャム・フットジャムの使い所が多そうですよね!
このジムにはまだ行ったことがないのですが、自分的いつかは行ってみたいジムにリストアップされましたよ!ちょっと壁が低そうなのが残念ですが、東京近郊にお住まいの方は行ってみてはどうでしょうか?