カウンターバランスの代表的ムーブ2つの違いとは?
フラッギングとダイアゴナル
ボルダリングで最初のに覚えるであろうフラッギングとダイアゴナル。ムーブの種類としては同じ、カウンターバランス系・フラッギング系のムーブなのですが、どちらも似たような動きなので正直わかりにくいって思う人も。
この2つのムーブの違いは伸ばす手と同じ側の脚か、逆側の側の脚をフラッギングするかっていうところなんですけど、実際の壁でやってみると「どっちがどっちだっけ?!」って最初のうちは混乱するかも知れません。
今回はアウトサイドフラッギングとダイアゴナルの違いと使い所なんかについて紹介していきますよ!
アウトサイドフラッギング
伸ばす手と同じ側の脚をフラッギングする。
Image:Kneedrops & Flagging - YouTube
まずはアウトサイドフラッギング(以下フラッギング)からです。フラッギングでは腕を伸ばすときに移動する体の重心を前もって脚を振っておくことで重心の移動を打ち消します。
脚をフラッギングする方向と手が伸びる方向が一致していますね。これは脚を体の内側を通すインサイドフラッギングでも同じです。腕の進行方向と足のフラッギング方向が一致しているのがフラッギングムーブの特徴です。
詳しいフラッギングの解説はこちらからどうぞ。
ダイアゴナル
伸ばす手と反対側の足をフラッギングする。
Image:7 Neil Greshams Masterclass - Outside Edge - YouTube
次にダイアゴナルです。ダイアゴナルでもフラッギングと同じ原理で腕を伸ばすことで移動する体の重心を打ち消すために足を振っておいて重心の移動を打ち消します。
ダイアゴナルでは腕を伸ばす方向と足をフラッギングする方向が逆ですね。腕の進行方向とフラッギングの方向が逆とも言えます。基本ムーブである「右手右足の法則」とは異なる動きなので初心者のうちは「あれ?どっちの足をフラッギングするんだっけ?」って混乱しがちです。
体の反対側の手足を動かすからダイアゴナル(diagonal:対角)って言うんです。詳しいダイアゴナルの解説記事はこちらからどうぞ。
フラッギングとダイアゴナルの練習方法
フラッギングとダイアゴナルは確かにとても良く似たムーブです。初心者クライマーだとごっちゃになって覚えている人だったり、自分はダイアゴナルをしているつもりでも実はアウトサイドフラッギングだったってのこともあります。
そんな紛らわしいムーブですが、やさしい課題で単独ムーブ練習することをおすすめします。私もアップのときはダイアゴナル・インサイドフラッギング・アウトサイドフラッギングだけを使って簡単な課題を登ります。
この時使っていいのは1つのムーブだけ。ダイアゴナルかインサイドまたはアウトサイドフラッギングだけです。そうすれば嫌でも体が覚えます。そしてフラッギング系ムーブの汎用性の高さにも驚くことでしょう。
フラッギングとダイアゴナルの使い分け
フラッギングとダイアゴナル。どちらもよく似たムーブで非常に使いやすいムーブでもあります。5級くらいの課題までだったらフラッギングだけ!とかダイアゴナルのみ!って制限があってもなんとかなっちゃうレベルのよくできたムーブです。
「じゃあ覚えるのはフラッギングかダイアゴナルだけでよくね?」って思われるかも知れませんが、フラッギングにもダイアゴナルにも特徴があります。まず一つ目がリーチの違いです。
クライマーの得意不得意・柔軟性や壁・ホールドの形状にもよりますが、基本的にはダイアゴナルのほうがリーチが伸びます。アウトサイドエッジでフットホールドに乗り込み、取りたいホールドと逆側を向くようしてダイアゴナルをするとかなり遠くのホールドにも手が届きます。
次に足の入れ替え回数の違いです。フラッギングでは次のムーブへのつなぎがスムーズに行えるというメリットがあります。フットホールドが自由な課題ではダイアゴナルを連続して行うことは簡単にできますが、フットホールドが制限されている課題でダイアゴナルを連発しようとすると足の入れ替えが頻発します。
インサイドフラッギング・アウトサイドフラッギングでも強傾斜やスラブでの使いやすさなどが変わってくるので、まずは簡単な垂壁の課題でムーブの特性を感じ取る練習をしてみましょう。同じムーブだけを使って登るっていうのも、普段はやらないことなので、きっといい刺激になりますよ!