このホールドメーカーに良い思い出はありません。
bloczの特徴!
今回紹介するのは”blocz(ブロックズ)”というホールドメーカー。ドイツ出身のメーカーなので、正しく発音するとブロックツととなるのかも。ドイツの技術力が活かされたシェイプとデザインが両立した目を引くデザインが多いので見たことがあるクライマーも多いかも。
bloczの大きな特徴は大型のボリューム(ハリボテ)を中心に生産しているホールドメーカーなのです。flatholdやSimpl.にも共通する特徴ですが、Bloczはその偏りが極端なのです。公式ホームページのホールド紹介ページのリンク数を数えてみたのですが、小型ホールドが19種類に対して、ボリュームの種類が107となっています。また、木製で軽量だったり、設置がしやすいように工夫されていたり、チョークやソールの汚れが落としやすいというクライミングジムにも嬉しい特徴もあります。
曲線を中心とした丸っこいホールドが多いFlatholdとCGのような直線的なシェイプをひとつのメーカーで作っているSimpl.のようなこのbloczというホールドメーカー。スローパーのボリュームは鬼のように悪いホールドが多いのですが、可愛いロゴを見つけてみてください。
やや丸めな木製ボリュームたち!
Image:Triangle 400
先にも書いたようにbloczのボリュームは木製です。樹脂製で作られていないのでコストは低く押さえることができますが、コーナー部分の造形はやや丸みが残ります。その分柔らかさや温かみが感じられて味があります。もちろん表面加工はバッチリなのでフリクションはザリザリに効いています。また、bloczの”o”にボリュームの固定用のビス穴を開けているのが律儀なドイツの職人魂を感じさせますよね。
Image:Coffer 1
木製なので大きなボリュームに使う素材も比較的入手しやすいのでしょう。とくにこの大型のホールドは壁に付いているとその上に立ってしまうことすら可能な程の大きさを誇ります。単体で使われることは少なく、他のホールドが付いていることが多いです。そしてやっぱり、bloczの”o”にボリュームの固定用のビス穴が空いているのに注目です。
Image:Hexatites 600
このボリュームが壁に付いていると面白い見た目になります。まるで壁から何か生えているような見た目です。この斜めの角度が絶妙で、うまくつかむと追加のホールドがなくても保持することができるという面白いボリュームです。ちなみにこのボリュームによく似たボリュームをDimension Volumeというホールドメーカーが販売しています。
グラスファイバー製のボリュームは?
Image:Smoovie 7
曲面が活かされるホールドでは木材では成形できません。やはり柔軟な形に対応するには樹脂製の素材が必要です。このように柔らかな曲線が特徴のスローパーボリュームでは樹脂製で作られています。このホールドがゴールに設定されている課題では死ぬほどゴール落ちしました。
Image:Smoovie 3
flatholdみたいな造形をしていますが、こちらはflatholdと違って曲面がなめらかに処理しているのでスローパー感が増しています。ハンドホールドに使うにしても頼りなく、フットホールドにするにしても滑りやすいと、クライマーを悩ませる極悪ホールルドに仕上がっています。
Image:Freestyler 4
ポケットスローパーというヒドい小型のボリューム。柔らかな曲線が作る極悪のボリューム。このFreestylerシリーズは小型で微妙な”くぼみ”を活かせるか問われるボリュームとなっています。エクボのようなくぼみを狙うのですが、浅かったり角度が悪かったりしてデッドポイントで飛びつけないような作りになっています。
激レア小型なホールドたち
Image:Screw on crimps S
実はこの記事を書くまではbloczがハンドホールド、しかもカチホールドが発売されているなんて知りませんでした。当然「これがbloczのカチホールドかぁ!」って触れたことがないのでコメントできないのですが、見た目を考えると比較的エッジが立っていてガバカチのような印象を受けます。
Image:Screw on footholds
こちらもblocz謹製の小さめのホールド。前に紹介したTEKNIKホールドのような形をしています。でも中にはFreestylerのような曲面にえぐれがあるようなホールドもあり、blocz感が出ています。
ジムオーナーにも優しいホールド
bloczのボリュームは珍しい特徴を売りにしています。それが清掃のしやすさです。ボリュームのような手のひらとボリュームの摩擦力で保持するとき、チョークやソールのカスが障害となることがあります。汚れによって滑りやすくなるんですよね。そこで、bloczは清掃がしやすい様に設計されているのです。
Image:Triangle 400
木製にもかかわらず、ソールやチョークの汚れがバッチリきれいになっていますよね。ブラシで完全に汚れを落とすのは難しいかもしれないですが、ケルヒャーみたいな高圧洗浄機で洗えば新品のようになります。
他にもベースプレートと呼ばれる木製の台座を壁に取り付けることによってクライミングウォールにネジ穴を開けずにハリボテを設置することができるようなオプション品も用意されています。
Image:Triangle 400
これはクライミングウォールにあるビス穴(ボルトオン)に台座を取り付けることによって固定用のネジ穴の傷がつかなくするようにする効果があります。クライミングウォールをよく見てみると前のセットの木ネジの後があったりしますけど、このオプション品を使うとクライミングウォールの傷を大幅に減らすことができるってわけです。
面白い課題を作るのに重要なシェイプをしている他にもクライミングジムにも配慮しているクライミングホールドメーカーは始めてみました。ホールドの質も近年世界大会でも使われているくらいの保証されたものなので、ぜひ梅の花のようなロゴのボリュームを探してみてください。