正月恒例の番組なウルトラマンDASH。ここ最近のお決まりとなったボルダリング選手によるパフォーマンス(?)もありました。
今回やったこと
喫茶店内に急遽、清掃が入ってしまい、床に足をつけずに天井や壁をつたって大切なお客様にコーヒーをサービスしなければいけない!しかも10分以内に!
というのが今回の設定。そして呼ばれたのが野口啓代選手…ではなく、伊藤ふたば選手!
やはり去年のボルダリングジャパンカップで野口啓代を押さえての優勝が効いたのか。今回は伊藤ふたば選手が、この無茶振りに対応しました。
伊藤ふたば選手って?
岩手県出身の2002年(!)生まれのクライマー。最年少の14歳9ヶ月でジャパンカップ2017に優勝。一気に有名になりました。
これまでの最年少優勝が野口啓代選手の16歳だったので大きな注目を集めました。そしてその野口啓代選手を押さえての優勝ってのもメディアの注目を集めました。ボルダリングの新星誕生か?!って。
2020年の東京オリンピックでも18歳ってことなので出場選手として有力視されています。
使ったシューズ
安定のLa sportivaのSolutionレディーズモデル。スリングショットのカラーリングを見るからに旧モデルを使用しているようでした。
なおよく引き合いに出される野口啓代選手もSolutionのレディーズモデルを使用しています。
伊藤ふたば選手のちょっと違う所が靴下愛用クライマーってところ。今まではクライミングシューズは裸足で履くのが常識だったので雑誌でも取り上げられちゃったりしてます。
使ったテクニック1:スメアリング
かなり地味なテクニックですが、凄いな!と感じたのがスメアリングの安定感。
店内の壁は垂壁なのでスメアリングが重要なテクニックになってくるのですが、伊藤ふたば選手はなんと窓ガラスでスメアリングをやってのけたのです!
摩擦がほとんど無いガラス面でもシューズを滑らすこと無くスイスイとトラバースを決める伊藤ふたば選手を見て「あぁ、こういう所が一流選手たる所以なんだな…」と感心してしまいました。
使ったテクニック2:ニーバー
あんまり聞かないムーブなニーバー。決まれば両手をホールドから離すことすら出来るレストにもコーヒーのサーブまで使えるテクニック。
番組内ではレストにも使用していましたが、アイスクリームを盛り付けたりするときにニーバーを使っていました。
ふたば選手はこの先長いクライミング人生を歩むでしょうが、ニーバーをしながらアイスクリームを盛り付けることはこの先無いでしょう。
使ったテクニック3:フック系ムーブ
天井を移動する時に多用したムーブがトゥフックやヒールフック。フック系ムーブは脚を腕のように使用できるので腕のパワーを節約できます。
普通ボルダリングでは最大傾斜が160度程度のルーフなので、ずっと180度ルーフを移動するのは腕の力ではまず不可能です。ふたば選手はホールドでも何でもない梁に巧みにつま先や踵を掛けて移動していました。
途中リーチが足りない場面でもトゥフックをヒールフックに切り替えたりして臨機応変に対応していましたよ。
こういうテクはジムでも使える
今回の企画は垂壁のトラバースや強傾斜(天井)の移動をふんだんに取り込んだクライマー泣かせの企画でした。
でも強傾斜ならではのフック系ムーブや垂壁でのスメアリングなどのテクニックは清掃中の喫茶店だけでなく、ボルダリングジムでも活躍します。
もし番組を見て「あのテクニックは?」と思った人の参考になればと思います。