私がボルダリングを始めたのは2012年。途中2年近いブランクがありましたが、なんでボルダリングを始めたのかちょっと振り返ってみます。
当時はマイナースポーツだった
2017年現在日本全国にボルダリングジムは500店舗以上あると言われています。2012年当時はボルダリングジムはもっともっと少なくて「ボルダリング?ポダリングじゃなくて?」と自転車仲間に言われるくらいの存在感でした。
で、当時私は社会人として上京したてのお上りさん。それまで私は自転車を趣味として色んな場所を自転車で走り回っていなのですが、この狭っ苦しい交通量が殺人的な道を走るのは自殺行為だと判断。
自転車は今までみたいに乗れないので、新しい趣味となるスポーツを探していたところ、目に止まったのがボルダリングでした。
なんでボルダリングだったのか、そしてボルダリングを続けている理由の一部を紹介していきます。
理由1:ひとりで楽しめる
いきなり寂しい理由ですが、なにげに一番大きな理由。チームスポーツや対戦スポーツって1人じゃ練習しかできませんよね。
でもボルダリングなら1人で楽しめます。仲間と時間が合わなくても、何人かがドタキャンしても何ら問題ありません。だって個人スポーツだから!
チームも対戦相手も必要ないので、ほんとにぷらっとボルダリングジムに行って楽しめるってのがとても気楽にボルダリングを始めるきっかけになりました。
理由2:どんなスポーツより気軽
ボルダリングより気軽なスポーツといったらジョギングやランニングくらいなんじゃないかってくらい気軽なスポーツがボルダリングです。
ウェア以外で必要なのはシューズとチョークだけ。しかも最初はシューズとチョークはレンタルできる。つまり着替えさえ持っていけばほとんど手ぶらでジムに行ったとしても楽しめちゃうんです。
理由3:道具が安価
自転車でトッププロと同じ機材(道具)を使おうとすると100万(まじで!)程度は必要です。が、ボルダリングでトッププロと同じ道具を使おうとすると2万円で済みます。
ボルダリングで使える唯一の道具ってシューズなんです。で、そのシューズのハイエンドモデルってどんなに高くても2万円台後半なんです。
こんな数万円でトッププロと同じ道具が使えるスポーツってかなり稀ではないでしょうか?
理由4:程々にマニアック
ボルダリングってオタクチックな趣味だと思います。アキバ系二次元って訳ではなく、知識や技術を知れば知るほど沼にハマるって意味です。
シューズ一つ例にしてみても、ソールの種類、ファスティングシステム、ヒールカップの形状などなど知りたいことが山盛りです。
ムーブに関してもフラッギングやダイアゴナルなんかのメジャーなものからデッドやランジなどのダイナミックなムーブ。サイファーやフィギュア4なんかのめったに見られないムーブまで色々です。
そんな知識や技術を自分の物にして実際の壁で活用できる…そんなところが魅力的なんですよね。
理由5:多人数でも楽しめる
理由1の「ひとりでも楽しめる」ってのと矛盾するかもしれませんが、複数人数でも楽しめるってのは魅力的ですよね。それが知らない人たちでも。
ボルダリングの良いところってのが、同じ課題を共有するクライマー同士に自然と交流が生まれるってところなんですよね。
知らない人に話しかけるのって精神的ハードルがありますが、ボルダリング中なら「ナイス!」や「がんば!」が自然に出てきます。
例えひとりでジムに行ってもクライマー同士で自然とやり取りが生まれる。敵対するでもサポートするでもない、ただ競技者同士が応援し合うだけ。そんなスポーツってとてもレアなのではないでしょうか。
いい事ずくめではないので注意
こうやって書いてみると「ボルダリングって最高やんけ!」と手放しに絶賛しているようになっちゃいますので、ちょっとネガティブな面も触れておきます。
まず一つ目が圧倒的に故障が多いってことです。私も中指の関節が変形して握り込めなくなりましたし、肉離れも経験しました。指皮が破れたのは数え切れませんし、すりむき傷やホールドにぶつけたアザもよく作ります。
高所からの落下を伴うので、落下姿勢が適切でないと簡単に捻挫しますし、悪くすれば骨折します。過去死亡事故が起きたジムの話もききました。
次に今のボルダリングブームがちょっと過熱気味なところ。全国津々浦々にジムが出来ましたが、必ずしもすべてのジムが一定のクオリティを担保しているとは限りません。
過去に行ったジムの中で3メートルほどの高さの壁があるにも関わらず、マットが非常に硬い(ウレタン製でなく、体育で使うようなマットを重ねただけ)とか、使われているホールドが偏っている(高難度の課題がカチばかり)とか、グレーディングがガバガバ(プロのセッターに設定してもらっていない)などはボルダリング人気に乗っかって雨後の筍のように乱立したボルダリングジムの課題とも言えます。
良いことも悪いことも知った上でボルダリングを興味を持ってもらったり、やってみる人が増えてくれたらと思います。