クライミングを初めてすぐに言われるのが「クライミングって身長が高い人が有利なんでしょ?」ということ。
身長が高い人のほうが高いところに手が届きますし、何となく有利な感じがしますよね。
実際の所、バレーボールやバスケットボールのように高身長であればあるほどクライミングは有利なのでしょうか?
クライミングワールドカップの優勝経験者などの身長を調べてみました。
クライマー紹介のその前に!
この記事ではボルダリング部門とかリード部門とかの用語が出てきます。
これはスポーツクライミングには部門わけがあるからなのですが、それってどういうこと?って人はこの記事をチェックしてみてください。
リードとボルダーの違いがわかった所で、さっそく有名クライマーの身長を見ていきましょう!
クライマーその1:アダム・オンドラ
- 身長:185センチ
- 体重:68kg
- 1993年生まれ、チェコ共和国出身
上記データはAdam Ondra - Wikipediaより
まずはチェコが誇る超うるさい強い系クライマーのアダム・オンドラ氏です。
彼はクライミングワールドチャンピオンシップ2014でリード部門、ボルダリング部門でダブル優勝をしている超実力派のクライマーです。
クライミングワールドカップでも2009年と2015年にリード部門、2014年にはボルダリング部門で優勝しているなど、経歴を上げればキリがないレベルのスーパークライマーです。
なるほど185センチ。なかなかの高身長ですね。
BMIは19.87となっています。
クライマーその2:ドミトリ・シャラフトディノフ
Dmitri Sarafutdinov - Wikipedia
- 身長:177センチ
- 体重:60kg
- 1986年生まれ。ロシア連邦出身
上記データは Dmitri Sarafutdinov - Wikipedia と Dmitry Sharafutdinov より
お次のクライマーはドミトリ氏です。
個人的にアダム・オンドラ氏とくらべてしまうクライマーです。
彼の登りは冷静沈着。足を切らずにムーブ解決。パワーは最小限に。な登りがアダム・オンドラ氏と対照的です。
もちろんドミトリ氏の輝かしい経歴は枚挙に暇がありません。
2007年から2014年の間、ボルダリング部門だけで12つのゴールドメダルを獲得しています。
氏の身長は177センチ。なかなか高身長。
ちなみにBMIは19.15でした。
クライマーその3:ダニエル・ウッズ
- 身長:170センチ
- 体重:60kg
- 1989生まれ。アメリカ合衆国出身
上記データはDaniel Woods - Wikipediaより
アメリカ出身のうるせー外岩派クライマー。
彼はあまり世界的なコンペでメダルを多く獲得するような活躍を上げていません。
ただ、彼は持ち前の声のデカさ指力の強さと口の悪さ鬼の体幹で外岩の高グレードの課題をバシバシ落とします。
確認されているだけでV15(5段上位)が23個。V16(6段)が3つと完全に外岩派のクライマーですね。ちなみにV15を登ると世界的なニュースになるレベルの課題です。
登り方は決してスマートではないかもしれませんが、パワーがみなぎる彼の登りが大好きです。
彼の身長は170センチ。今までのクライマーとくらべてちょっと小柄です。
だからこそ彼にはロケットランジという必殺技があるのかな?
BMIは20.76でした。
クライマーその4:クリス・シャーマ
- 身長:183センチ
- 体重:75kg
- 1981年生まれ。アメリカ合衆国出身
上記データはChris Sharma - Wikipediaより
世界の伝説的クライマーの一人。
イギリスはベン・ムーン、日本なら平山ユージ、アメリカならクリス・シャーマと国を背負って紹介されるレベルのクライマー。
登りもさることながら、クライミング文化をアメリカに根付かせたという功績は何よりも価値がありますよね。
日本にも来日していて、課題を開拓しています。The Two MonkとWabisabiがそうです。
課題を開拓する以外にも四国のお遍路をやったり、尺八を習得したりとエピソードには事欠かないクライマーですねw
身長は183センチとアダム・オンドラ氏並の高身長。
BMIは22.4でした。
クライマーその5:ラモン・ジュリアン
Ramón Julián Puigblanque - Wikipedia
- 身長:159センチ
- 体重:48kg
- 1981年生まれ。スペイン王国出身
上記データはRamón Julián Puigblanque - Wikipediaより
最後に紹介するのはラモン・ジュリアン氏です。彼の身長は159センチと小柄ですが、氏の経歴は決して小さいものではありません。
彼は主にリードクライミングの部門で活躍しており、11年間のキャリアの中で獲得したクライミングワールドカップのゴールドメダルは19個、シルバー、ブロンズを合わせると39個と恐ろしいほどのメダルを獲得しています。
しかも39個のメダルの内、ブロンズメダルはわずか7個という活躍っぷり。
小柄な彼の活躍を支えるのが、そのハードトレーニング。
ドキュメンタリーとして特集されるくらいのハードトレーニングですが、それこそが彼を高みに連れて行く原動力なのでしょう。
159センチと渋川剛気先生並の体型ですが、その活躍も渋川剛気先生並。
BMIは18.99でした。
クライマーに身長差は関係ない!
これまで紹介してきたクライマーの数々ですが、飛び抜けて高身長ってわけじゃないのがわかってもらえたかと思います。
例えばバレーボールの日本代表の平均身長は”190.4センチ”です。
バレーボール 全日本男子の身長 ブラジルやロシアとの差がありすぎ | いいこむCHECKより
他にもバスケットボールのNBAの平均身長に至っては”191.6センチ”と生まれ持った体格がものをいう世界ですね。
男子バスケットボール代表選手の身長体重は?(2016年度版):スクスクのっぽくんより
なぜクライミングにそこまで身長が必要ないかと言うと、その理由の一つに「でかくなると重くなる」ということがあるかと思います。
クライミングをカーレースに例えると「身長=馬力」の様な関係になり、いくら馬力があるからと言ってダンプカーでF1のレースに参加したりしませんよね?
また、足りないリーチを補うための技術(ムーブ)がクライミングの世界にはあり、高身長=即有利という図式が成り立たないのもその要因です。
「背が小さくてリーチがない…」と嘆く前にラモン・ジュリアン尊師のことを思い出してめげずにチャレンジしましょう!