相性は確実によくない…
ギターやベースとの相性は?
ギターやベースを弾くことを職業としている人はボルダリングには向いていないかもしれません。もちろん「身体的に向いていない」というのではなく、ボルダリングによって指の可動域が狭まってしまうかもしれないからです。
以前にこんな記事を書きましたけど、特にギタリストの人は要注意です!
なんで要注意かって言うと指に力を入れて曲げた状態を維持していると、徐々に指が曲がりにくくなってきちゃんうです。私の利き手は右手で、一番力が入る指が中指なんですが、こんなふうに中指が完全に曲がりきらなくなっています。
ギターって押弦するのは左手だから問題ないよ!って思う人もいるかも知れませんけど、左手もこんな感じです。
痛みとか全然ないんですけど、握力全開で曲げても完全に指が閉じません。これが曲者で1弦を中指で押さえるような動きが苦手になります。例えばDコードだと手首を思いっきりグリンとネック側に回してあげる必要が出てきます。ちゃんとコードは鳴るのですが、コードチェンジのとき手首の回転が入るので結構面倒です。
ちなみに中指が完全に曲がりきらなくてもこんな感じでDコードは押弦できています。ちゃんとコードは鳴るのでOKですが、結構な力で中指を曲げ、手首を回転させています。
他にもボルダリングを年単位で長くやっていると指が徐々に太くなってきてしまうので、隣の弦に触れちゃって知らずにミュートしちゃうようになってしまうかもしれませんね。
クライマーがギターを触ってみた
ちなみに私はギターを持っていて、たまに弾いてみたりするのですが、ギターやベースを始めたのはボルダリングを始めたあとでした。ギターとベースを始めたのはボルダリングで初段を登れるようになったくらいなので、結構指も太くなってました。
実際にギターやベースを触ってみたのですが、先に書いたように左手の中指が完全に閉じないので、Dコードなどの1弦を中指で押さえるようなコードは苦労しました。Dコードは比較的簡単なコードと言われているのに、なかなかうまく鳴らなくて大変でした。
逆にメリット(?)なのですが、ギター弦を押さえても全然痛くありません。ギター初心者が細い1弦や2弦を指先で押弦すると指先が痛くなったり、指が切れたりするって言われています。これって指皮が育っていないからなのですが、この件はボルダリングやっている人には無縁でした。全然痛くない。
カチ持ちなどの薄いホールドを処理しているうちに、どんどん指皮が育っていくので、弦を押さえたくらいだと全然気にならなくなります。むしろ指先の感覚が鈍くなるレベルので厚くなるので、ちょっと削りたいくらいです。
クライマーがベースを触ってみた
下手の横好きってことでベースも持っているのですが、ベースはちょっと難敵でした。まず弦が太いので、押弦するパワーがギターより必要です。クライマーからしたら、なんでもない力なのですが、手を大きく広げた状態での押弦なのでボルダリングとちょっと違います。
初心者のうちは、大きく手を広げて指先で押弦するのを繰り返していたら、まさかの左手が筋肉痛に。おそらく最適な力加減がわからずフルパワーで押弦していたからなのですが、まさかクライマーが楽器で筋肉痛になるとは…
あと、ベースの弦は巻弦なので激しくスライド演奏すると流石に指皮が減っていきます。もちろんカチ持ちが滑ったときの減り方と比べたら少ないですが、指皮の同じところが減っていくのがボルダリングとは違う所ですね。
楽器にも悪影響…
最後にギターやベースなどの楽器についてなのですが、クライマーの握力で押弦すると指板がどんどんえぐれていきます。一朝一夕でえぐれるわけではないのですが、やはり常人の握力と比べたらやっぱりパワーが違いますよね。
特に初心者のうちだと知らず知らずに力んでしまうので楽器へのダメージはやはり大きいでしょう。他にもフレットの減りが早いような気がします。
職業ギタリスト・ベーシストは要注意!
趣味で楽器をやる分にはそこまで大きな問題ではないでしょう。私も左手の中指が曲がりきりませんが、演奏にそこまで影響していません。
ですが、ギターやベースを生業としている人がボルダリングにのめり込むのは、やはり要注意と言わざるをえないでしょう。ボルダリングでは指皮がどんどん厚くなって、指先の感覚が鈍ります。先に書いたように細い弦が指先の感覚だけでわからなくなったり、中指でのプリングが難しくなったりします。
職業ギタリスト・ベーシストはボルダリングを絶対やらないほうがいい!というわけではありませんが、指のケアには特に気をつける必要があるでしょう。具体的には指ローラーで可動域を確保したり、ストレッチ、あと指皮が厚くなりすぎたときは爪やすりで指先の指皮をあえて薄くしてあげたりする必要があるかもしれません。
実はギタリストのほうが指の使い方をよくわかっているので、複雑な形のホールドをうまく処理できたりするので、一概にギタリストはボルダリングに不向きとは言えません。でも、趣味ギタリスト・ベーシストも指のケアをして損はないので、ぜひ上記のような指ケアを欠かさないでくださいね!