クライミングシューズの大御所
La Sportiva
La Sportiva(以下スポルティバ)はイタリアでNarciso Delladioによって1928年に設立されました。当初は農業や林業用のブーツを生産していたのですが、第二次大戦で登山ブーツを生産するようになってから本格的な登山靴メーカーとして転身しました。
以降スポルティバは革新的な登山やクライミングのシューズを生産してきました。特にクライミングシューズの日本でのシェアは高く、2019年のジャパンカップでは女子上位6人中3人が、男子上位6人中2人がスポルティバのシューズを使用しています。
今回はそんなスポルティバの有名シューズを紹介していきます。
1.スクワマ
現在のスポルティバのフラッグシップモデルとも言えるのがこのスクワマ。ソールの真ん中に三角穴が空いていて、足の指の自由さを確保しているとのこと。
横剛性を高めたSヒールやシューズのヘタリを抑制するP3システムを搭載しています。スポルティバが持つ技術を全部搭載しています。
世界的な大会でも使用しているクライマーが多いのも納得な高性能シューズです。
2.ソリューション
スクワマに世代交代された感が強いソリューションですが、2016年くらいまではバリバリのハイエンドシューズでした。剛性の高いヒールカップや攻めたダウントゥなんかは実に先進的でした。
その後、大規模な更新が加わったこととスクワマが発売されてことでソリューションを使用するクライマーが減ってしまいました。
3.フューチュラ
クライミングシューズにはエッジが立っているのが当たり前だったのですが、フューチュラはそのエッジを排除したNo-Edgeシステムという特徴があります。
エッジがなくなった分、シューズの中の足とホールドとの距離が(数ミリですが)短くなり、より足を残しやすくなっているとのことです。
4.ミウラ
クライミングシューズのロングセラーのミウラ。20世紀発売なのにマイナーチェンジを繰り返しながら今もなお販売されています。
クラシカルな課題を得意とし、非常に小さいフットホールドに乗り込むことができます。その精度は結晶に乗るとも評価されています。
一方でシューズ本体が非常に硬いのでスローパーやスメアがやや苦手と言われています。
5.コブラ
スリッパタイプの定番中の定番。こちらも販売が10年以上続いているロングセラーモデルです。最近はスピードクライミングなどに使用されています。
最初はキツくて痛いのですが、シューズの伸びがいいので、徐々に足と一体化してきます。ジムユースにピッタリのシューズで、カラバリも豊富。2020年の東京オリンピックに向けて更新がかかっているそうです。
作りが丁寧なメーカー
スポルティバのクライミングシューズは他のメーカーと比べて作りが丁寧だと感じます。クライミング性能以外でもシューズの色が足に移りにくかったり、プルタブがちぎれにくかったりとよくできています。
最初のマイシューズとして選ばれる一方で、コンペでも使用されるようなハイエンドモデルまで生産しているスポルティバ。スクワマなどの有名シューズを履いてジムに行くと必ずといっていいほどシューズがかぶりますが、それは信用の証なのかもしれません。