ボルダリングの基礎「右手右足の法則」を覚えよう!
大前提の基本姿勢って?
ボルダリングが上手い人はスムーズな重心移動でスイスイと壁を登っていきます。まるで煙のようです。
そんな風にスムーズに登るためには「ムーブ」という技術があるのですが、そんなムーブを実現するためにはボルダリングの基本姿勢という姿勢をマスターしないといけません。
基本姿勢って何?って人はこちらの記事をぜひチェックしてみてください!
初日で出来る基本ムーブ!
基本ムーブはとても簡単です。ボルダリングをする時、右側に次のホールドがあるとすれば、前もって右足をあげます。逆に、左側に次のホールドがあるなら、左足を先にあげます。
つまりまとめると、
「伸ばす手と同じ側の足を先にあげる」
ってことを覚えてください!
もっとしっかり説明すると
- 「右手」を伸ばしたいときは「右足」をあげる
- 「左手」を伸ばしたいときは「左足」をあげる
ってことです。
この動きを「右足右手の法則」として覚えておきましょう。この「右手のホールドを取るために右足を上げる」って考え方は様々なムーブにつながってくる基本的な考え方です。「あの左のホールドを取りたいな…」と思ったら左足を使えるホールドに置き、それから使えそうなムーブを考えるって感じです。
どうして右手右足の法則なの?
もしかすると「なんで右手を伸ばす時に左足をあげちゃダメなの?」って思う人がいるかもしれませんで。さっそくその理由を説明してきます。それは「体の重心」に深い関係があります。人体に限らず、物体は重心がある方向に回転しようとします。そのほうが状態が安定するからです。
壁に張り付いてる時、基本的に重心はおへそ(丹田)に近い方の足にあります。重心の話は非常に奥が深いので、語り尽くせないのですが…要はおへそに近い方の足の方に体の重心があると思ってください。
じゃあ、重心がかかっていない方の手をのばすとどういうことになるのでしょうか?先に書いたとおり、物体は重心のある方向に回転しようとします。この動画のように、左足の方に体が回転しています。
Image:Improve your climbing VOSTFR - YouTube
よく見ると右足はホールドに乗っていませんね。そんな状態で右手を伸ばしちゃうとからの重心は左足に移動します。そうすると体が大きく左側に振られてしまいます。体の振れを手だけで止めるのは大変で、必要ない握力を消費してしまいます。
体の回転を防いで握力を温存するためにも、手を伸ばす前に重心が移動しないように安定した位置に移動させておくことが重要なんです。「ちょっとよくわかんない…」って人はハシゴを登るときを想像してみてください。
ハシゴを登るとき、右手を出すときに左足をあげますか?あげませんよね?そんな風に教えられなくても体の重心は自分がよくわかっているんです。でもハシゴみたいに規則的に並んでいないホールドを見ちゃうと混乱して、なかなかスムーズに登れないんです。
腕の力を温存しよう!
この右手右足の法則は握力を温存するためにあります。ボルダリングって握力温存ゲームなんです。だから出来るだけ重心を足に乗っけておくことが重要なんですが、重心より高い位置に足を上げてしまうと逆効果の場合もあるのです。
適切な足の高さをマスターするためにもこの記事をチェックしてみてください。良かれと思って足をあげすぎると逆に握力を消費してしまうことにもなりますよ!
ちなみに、腕だけで登ろうとすると、連続で懸垂と片手ぶら下がりをやっているようなものなので一瞬で疲れて登れなくなってしまいます。
プロも基本ムーブに忠実!
この基本ムーブとコツはボルダリング初めての人からトップクライマーでも有効です。では、実際のプロクライマーがこの右手右足の法則と基本ムーブを実践しているところを紹介していきます。
まずはこの例です。
Image:https://youtu.be/Y-ZlYhdRCfg
ホールドに乗っていたのは左足ですが、ゴールホールドは右手で取りたいので右足に入れ替えていますね。その後はデッドポイントというムーブでホールドを取りに行っています。もし足を入れ替えずにゴールホールドを強引に取ろうとすると、ホールドをつかんだ瞬間大きく右側に振られて落ちてしまいます。
次はトッププロ、Adam Ondra氏のムーブです。
Image:https://youtu.be/Y-ZlYhdRCfg
手に足+ヒールフックというかっこいいムーブをいとも軽々と決めていますね。この場合も同じく右手を伸ばしたいので右足を先にあげています。
とにかくまずはこれ!
重心を足に移動させておいて握力を温存するという基本ムーブを紹介してきました。確認しましょう。
- 「右手」を伸ばしたいときは「右足」をあげる
- 「左手」を伸ばしたいときは「左足」をあげる
ってことでしたね。ボルダリングを始めてすぐの時は、なかなかこの基本ムーブをやるのが難しいですが、自分の重心がどこにあるのかな?ってことを意識していれば自然と重心を足に逃がすことができます。
ちなみに「右手を伸ばしたいのに右足を乗っけられるホールドがない!」というような意地悪な課題も級が上がっていくと出現してきます。でも大丈夫です!そういう状況に対応するために様々なムーブという技術があります。
そんなムーブをマスターするためにも、まずは「右手右足の法則」と「基本ムーブ」を理解しておきましょう!
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